<書評> マーシャル・マクルーハン,エリック・マクルーハン著 『メディアの法則』 高山宏監修,中澤豊訳(NTT出版,2002年) 『文學界』第57巻第1号(2003年1月): 276-278頁 カナダのメディア論者マーシャル・マクルーハン(一九一一~八〇)が逝去してから二十数年が過ぎた。今日、その業績は、各国で見直され、日本でも再受容が進んでいる。六〇年代末の「マクルーハン旋風」期に邦訳された主著『グーテンベルクの銀河系』や『メディア論』はどちらも新訳(みすず書房)で読めるし、ヴィジュアル・ブック『メディアはマッサージである』(河出書房新社)もある。九〇年代末以降、ケルコフ『ポストメディア論』、レヴィンソン『デジタル・マクルーハン』(以上NTT出版)、服部桂『メディアの予言者』(廣済堂出版)、ゴードン『マクルーハン』(ちくま学芸文庫)など、解説書の出版が相次ぎ、私たち日本人は、マクルーハン