一年はもつ極上の肴 NHK−BS2で「男はつらいよシリーズ」の全48作品が放映される。日本中どこのレンタル屋にもおいてあるので別にBSで見なくても良いと思うが、これもツマムービー的には絶対外せない一品。泡盛なんかをゆっくり飲みながら見るのが合うような気がする。楽しむためのコツが一つ。分かっている人には言わずもがなのことだろうが、第一作から順番に見ること。なぜなら「男はつらいよ」は全48章の長編小説なのだから。 あまり言われないが、やはり山田洋次はこれを作りながらプルーストの「失われた時を求めて」を意識していたと思われる。食事の場面とか多いし。(過去にマルセル・パニョルの原作を映画化したりしているし、仏文学は好きなはず)とにかく1、2年くらいかけて一作ずつゆっくり見ると、この茫漠たる時の流れ…とか思わず呟いてしまう。そんな映画はいまだかつて世界中のどこにもなく、そして今後恐らくもう誰も作れな