上に挙げたのは三島の自叙的短編。 「詩を書く少年」が自身が「詩人ではなかったのかも知れない」ということに気付くまでが描かれている。 三島の別の短編の表題を借りて『昭和に於ける一中二病患者の遺せる哲学的日記の抜萃』としても良い。 少年は夭折の詩人に憧れを抱く。 『花火みたいに生きよう。一瞬のうちに精一杯夜空をいろどって、すぐ消えてしまおう』と熱烈に思った。いろいろ考えてみるが、それ以外の行き方は思い当たらなかった。でも自殺はいやだ。予定調和がうまい具合に彼を殺してくれるだろう。 「詩人になりたい、さもなくば死にたい」という思いはヘッセのみならず多くの少年達にとって共通する願望だろう。 寺山修司は『青少年のための自殺学入門』において自殺について次のように述べている。 自殺はあくまで人生を虚構化する儀式であり、ドラマツルギーに支えられた祭りであり、自己表現であり、そして聖なる一回性であり、快楽で
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