大学受験の先にあるもの〜職業を考える〜 【執筆】小谷祐子(フリーライター) 別の劇団に移ったという友人。なぜ? ずいぶん劇団の上層部にも気に入られていたようだったのに。 「なんか、演じていて違和感を感じるようになったんだよね。表現の方法が自分には合わないとうか…。セリフも素直に出てこないし、『え、なんでここで観客を笑わせなきゃいけないの? なぜここで踊るの?』って思うものも多くて。全力で役に取り組めないんだ」 彼が次に選んだ劇団は、舞台道具がいっさいなく、ひたすら俳優のセリフと動きで舞台を作り上げていくという劇団。主宰者は著名な演出家でもありますが、演劇を勉強する中で、たくさんの劇団の芝居を見る中で、自分もその舞台に立ちたいと思い、オーディションを受けたと言います。 そこに合格してしまうところが、友人としてひたすら関心してしまうのですが、彼は、最初の劇団で舞台に立つ俳優としての心得を身体で