一度も負けたことのない天才少女が、日本の競馬史に残る大仕事をやってのけた。 無観客で行われた第81回オークス(5月24日、東京芝2400m、3歳牝馬GI)を、松山弘平が騎乗した1番人気のデアリングタクト(父エピファネイア、栗東・杉山晴紀厩舎)が優勝。63年ぶり、史上2頭目の「無敗の牝馬クラシック二冠馬」となった。 スタートからゴールまで、すべてが上手く運んだわけではなかった。 デアリングタクトは、馬場入りしてからテンションが上がり、発汗が目立つようになっていた。入れ込むと、出遅れたり、道中掛かって行きたがったりする恐れがある。 ゲートが開いた。デアリングタクトはまずまず速いスタートを切った。が、1コーナー手前で外から来た馬に寄られ、1コーナーに入ってからも他馬に外からプレッシャーをかけられる格好になった。その都度、松山は手綱を引き、ポジションを下げながらコーナーを回ることになった。 「スタ