皆さんが思い浮かべる戦国武将といえば、織田信長、豊臣秀吉、徳川家康といった天下人、あるいは上杉謙信、武田信玄といった名将に違いない。一方で、戦国武将のなかには、あまりに悪い評価が付きまとっている者も少なくない。 評価の低い大名は、おおむね後世に成った二次史料(軍記物語など)によって、必要以上に貶められている例がある。今回は7人の戦国武将を取り上げて、汚名を晴らすことにしよう。 「梟雄」と称された宇喜多直家宇喜多直家は一代で備前・美作などに領土を拡大したが、その人間性をめぐっては不当に低く評価されている。その理由は、直家が何度も裏切りと暗殺を行ったことにある。 直家は祖父・能家の復讐を果たすべく島村盛実を騙し討ちにし、舅の中山信正も殺害した。ライバルの三村家親は、遠藤兄弟に命じて射殺させた。このように、直家は手段を選ばず、謀略の限りを尽くさなかったという。 直家は毛利氏と友好関係を結び、織田