グーグルのようなもので検索しても、池澤夏樹に批判的な見解を書く人はほとんどいないですね。例の沖縄系社会学者あるいは運動家の人たちはともかくとして、池澤夏樹の見解に大賛成な人ばかりなのでしょうか。(沖縄系の池澤批判者が、彼の文学全集を議論してもよいのですが・・・)。反発を覚えないにせよ、彼の議論に何の疑問を感じないのは、あまり望ましくありません。あのさわやかで知的な感じに騙されて、安易に迎合したり、呑まれてしまってはいけないのです。というのは、池澤が語っていることは、ポストコロニアル文学論の観点の非常に重要な論点と関わっているからです。 (あらかじめ断っておきますと、わたくしは、池澤夏樹 (ポストコロニアリズム) vs 沖縄系学者(反帝国主義、反「ポストコロニアリズム」)の対立に関して言えば、どちらといえば池澤よりの立場です。(沖縄系や韓国系のポストコロニアリズム議論は、完全にその言葉の意味