菅野氏は日本会議を追い続ける中で、ある人物に辿りついた。それは安東巖という、これまで殆んど表に出なかった人物である。安東氏は日本会議や日本青年協議会(日青協)を一手に仕切る、陰の支配者であると言っていい。 生長の家の谷口雅春初代総裁の知遇を受けた安東氏は、病気治しの実践者であり、この力を背景にして、日本会議や日青協には絶対的な影響力を持つカリスマ的存在である。しかも、反対勢力には「力」の行使も辞さないという側面を持っている。 安東氏こそ日本会議と日青協の実質的な支配者と呼ぶに値する人物なのだ。 彼をよく知る元参議院自民党議員会長の村上正邦氏に、その人物像を聞いた。 安東巖とは何者か 菅野 僕は『日本会議の研究』(扶桑社)の中で、村上先生からうかがったお話などに基づきつつ、安東巖のことを描きました。僕は安東を語らずに日本会議を語ることはできないと考えています。そこで、改めて村上先生に安東巖と