あれから三年。大きな被害を受けた人のこころと、被害を免れた人のこころとの間に、時間は容赦なく大きな溝を作ります。 評論家やテレビコメンテーターを筆頭に誰彼となく、したり顔で使われる「風化させてはいけない」というステレオタイプな呼びかけは、時間の経過の前には実に無力だということを知っておく必要があります。 歴史から何をどう学ぶか 誰もが納得できる問題解決の優先順位は時間の経過と共に立場によって大きく変化していきます。 いま現実に発生している問題を解決するときに、これまで日本列島を襲った数々の災禍の歴史から学ぶことは必要不可欠です。 そこから得た教訓や知恵から学び、つねに「聞く耳」を研ぎ澄まし、キチンと問題と向き合い続けることには傷みや辛さを伴います。 悲しみにこころを壊さずに、現実をよく見ようとする目を養うこと、そして関心を持ち続けることで養われる感度の高いアンテナを持っていれば、それぞれの