次に読み解きなにをやろうか色々探った。もはや精神は「文学好き」モードから離脱した。ただの「解析好き」になっていた。ウチはほんまは、中身はどうでもええどすねん。小難しゅうて人がわからんのを解読するのが楽しみどすねん。堕落とも言う。 日本文学で一番重要で難解というと、三島由紀夫の「豊饒の海」である。やってみようと思った。いかにも難しげな雰囲気が魅力的に見えた。そしてその時「豊饒の海」を初めて読んだ。我ながら恐るべき不勉強である。過去に文学研究の終わりを実感してしまった人物が、その数年後に三島の代表作を読み始める。宿命的とも言えるそそっかしさである。 読み始めてすぐに、「これはニーベルングの指環だな」と気づいた。こういう断定速度は自慢じゃないが一流である。そそっかしさなければ断定なし。ネットで調べると連載当初からそういう声があったらしい。しかし真面目に対応関係調べている文献がない。文学研究家は中
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