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「ガラパゴス」という言葉が今年の流行語大賞の候補に選ばれたということを聞いていたので、密かに受賞しないかと期待していたのだが、残念ながら大賞は逃したようだ(もし大賞に選ばれていたら、私が受賞することになったのかどうかの疑問はこれで解けずに終わってしまった)。しかし、この言葉をずいぶん前から使っている私としては、この言葉が一人歩きしているようでなんとも言えない気持ちなのでひと言。 まず最初に断っておくと、私が2001年のCTIA(米国の携帯電話業界で一番大きなカンファレンス)のスピーチでこの言葉を使った時は、単に日本という「単一民族で、国民の大半の生活レベルが同じで、家電とか携帯電話のようなガジェットに流れるお金が比較的多い」という特殊な環境で、iモードを中心に「ケータイ・ライフスタイル」が異常なスピードで進化をとげていることを表して、「ガラパゴス現象」と呼んだだけのこと。決してネガティブな
最近は、日本の(「iPhone」以外の)携帯電話を「ガラケー」と呼ぶそうだ。「ガラパゴスケータイ」の略である。 ガラパゴスというのは大陸から隔離されて生物が独自の進化を遂げた島の名前だが、日本の携帯電話も独自の進化を遂げ、世界一デラックスだが、どこにも輸出できない。1台7万~8万円と世界でも群を抜いて高いからだ。 日本では、これを通信業者がすべて買い上げて、小売店に卸す際に「販売奨励金」を出し、小売店は「1円ケータイ」などとして売っていた。この見かけ上の低価格は通信料金で回収される。しかし、利用者にはこのからくりが分からない。そのため、端末が高機能・高価格の製品に片寄り、世界市場で競争できる低価格製品がなくなった。 他方、海外の端末メーカーは、テレビやカーナビまでついている「ガラパゴス規格」に合わせることが困難になり、ほとんど撤退してしまった。この結果、日本の携帯電話業界は孤立し、2008
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