地方における公共事業は、いわば“国内ODA”だと批判されることがある。投下された資金は、族議員を始めとする有力者たち、業界団体であるゼネコンなどに幾度も中抜きされ、地元の人々、家計には十分に回らない。建設された箱物自体が必要不可欠なものではなく、経済活性化に役に立たないことが多いことも、ODAによく似ている。 では、どうすればいいか。経済学的に言えば、最も効率がいいのは、直接家計におカネを配ることである。そうすれば、おカネの配分権限を中間者に握られ、また中抜きされることもない。不要な道路や公共施設建設に、資材や資源、労働力が無駄に使われることもない。 前者を「間接補助」、後者を「直接補助」と呼ぼう。前者は戦後自民党が築き上げた国土均等発展、地域間や家計間の格差を是正する所得再配分システムである。政治と末端の中間に位置し、双方を結び付け、分配する権力、裁量を握っていた代表例が農協、郵政、