京都、哲学の道の入口に店を構える「草喰なかひがし」。草を喰(は)むという店名の通り、店主自ら畑に通い、野山に分け入り、得た季節の恵みを、若芽から花、実まで一物全体を食べつくす店として知られる。その哲学的ですらある料理観は、日本のみならず海外にまで知れ渡っている。 店主・中東久雄さんは、どのようにして、そうした料理観へと行きついたのであろうか。店を開いて24年になるという、長い経験の中から、まずはその経緯を聞いた。 私らは、野菜を作っているんやない 中東さんの料理人としての出発点は、人里離れた左京区の花背に位置する摘み草料理(四季折々の山の幸を供する)で名高い料亭「美山荘」。独立するにあたり、町へおりてまず感じたことが、食材に命が宿っていないことだった。「なんとかせねば」と、ほうぼうを巡ったという。 「あるとき美山のお百姓さんを訪ねたところ、何しにきたん? という顔をされ、あんたらは、生産者
![ゴミの始末までできてこそ料理人。「草喰なかひがし」店主の哲学 | Forbes JAPAN 公式サイト(フォーブス ジャパン)](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/074de7e25cecc31a15d6cfc8ca71373cc20161f3/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fimages.forbesjapan.com%2Fmedia%2Farticle%2F42015%2Fimages%2Fmain_image_42015cb5b485aa6da8633082d5bba307e1776.jpg)