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ブックマーク / monado.hateblo.jp (15)

  • 「第五回 monado nite」 - モナドの方へ

    いつも通りレジュメ作成が全然間に合わなかったので、9割方アドリブになってしまいました。なので結構gdgdな感じだったけど、いつも通り6時間喋ってしまった。当は4時間くらいの予定だったのに。 もうちょっと分かりやすく話せたら良かったんだけど、批評理論の話をかみ砕くのは難しいです。 あと後半、酒を呑みすぎて大変なことになっていますね。反省。 前半の批評編のまとめとしては、さまざまな批評理論があるけれども、結局は独りの批評家を信頼するところがどうしてもある。である以上、作品を批評するときには、いまわの際に立っていることを想定し自らの存在を賭けて批評して欲しい。社会的な背景から相対的な観点で、どうでもいい小説(ケータイ小説とかね)を適当に擁護するとかやめましょうよ、ということで。 後半の実験文学編のまとめとしては、長大な実験小説や、すべてを尽くそうとするoulipoの実験はひとつの百科全書を顕現

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  • ハロルド・ブルーム「影響の不安」 - モナドの方へ

    ハロルド・ブルームの理論は奇妙だ。 ブルームの理論は一言でいうと「シェイクスピアに与えたT・S・エリオットの影響について考える」ということである。おいおい逆だろ逆!と思ったあなたの精神はまともだ。ブルームの考え方がちょっと異様なのだ。 なぜこのような話になってくるのか、ちょっと面白いので理論的に追ってみよう。 何かの創作を行う者は、規範となる先行者に多大な影響の元でしか活動できない。しかし先行者を規範と、それこそ至高の表現であると認めていては、自らの表現はその劣化コピーとしかならない。数限りない先行者がいる時代(ブルームによればミルトン以降になるが)では、あらゆる詩人は「遅れてきた詩人」であり、先行者の影響の不安に晒されているのである。 その影響の不安を乗り越えるためには、強く誤読することによって、その影響を批評的に打ち崩してゆく必要がある。そうでなければオリジナリティを獲得することができ

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    noreply 2008/10/14
  • 「第五回 monado nite」の告知 - モナドの方へ

    10/11(土)に「第五回 monado nite」をustream上で行います。 21:00から開始する予定です。 http://ustream.tv/channel/monado 今回は「いまわの際に立つ」と題して、批評と実験文学について語る予定です。 テーマがテーマだけに批評理論とか知らない人でも理解できるよう、ゆるふわで行こうと思いますので、よろしくお願いします。

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  • クリストファー・ノーラン「ダークナイト」 - モナドの方へ

    悪い評判を一切聞かない珍しい映画。所詮勧善懲悪のアクション映画だろ?と斜に構えて見に行ったんだけれども、予想を上回る傑作だった。メメントの監督だし外れることはないだろうとは思ってはいたけど、脚・演出ともにここまで作り込まれているとは! 個人的に注目したのは全体の構造におけるジョーカーの役割。ジョーカー=道化論をふまえた作りになっていて、山口昌男監修かと思ったほどだ。自分も一時期はまっていて「道化の民俗学」やら「道化と笏杖」やらを読みあさっていたことがあった。 このジョーカーという存在が、一見、単純な善悪の対立構造に見えなくもないストーリーに深い味わいを与えている。わかりやすくするために、レヴィ=ストロースっぽい感じで構造を図にしてみよう。 ゴッサムシティーでの基的対立は、警察と悪党による単純な善悪の対立だ。警察は法でもって正々堂々と悪党を裁こうとする。悪党にもまた悪党のルールがあり、き

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    noreply 2008/08/26
  • マサカド・インパクトを乗り切るための50冊 ~あるいは虹の解体 - モナドの方へ

    はじめに〜護法少女ソワカちゃんとの出会い 「護法少女ソワカちゃん」との出会いは、日課としているJ・A・シーザータグを巡回してるときであった。最初に見たのは「修羅礼賛」で、4分という短い時間に詰め込まれたネタの濃密さ、「ゆあーん ゆよーん ゆやゆよん」という文学ネタ、「天狗の面工場のアルバイトを思い出す」という卓越したセンスにすっかり打ちのめされてしまった。 しかしそのあまりの濃さ故に、これ自体が何かのパロディであって、その二次創作(初音ミクを使っているから三次創作?)なのではないか?と勝手に思っていた。だって、当時は一話もアップされてないし。 それからOP、EDを見、まとめwikiを見つけ、ソワカちゃんが純然たるオリジナルであると知り、その博識とネタと音楽のセンスに敬服するに至った。 それから信者として活動が始まる。 まずは情報収集だ。2chのソワカちゃんスレとmixiのコミュニティはもち

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  • 宮澤淳一「マクルーハンの光景 メディア論がみえる」 - モナドの方へ

    いわずとしれたみすず書房の理想の教室シリーズの一冊。このシリーズ良書揃いであるが、書も入門書としても復習がてらに読むにしてもよくできている。 「ホットなメディア」「クールなメディア」や「メディアはメッセージだ」から「メディアはマッサージだ!」まで、突飛な用語で人を煙に巻く印象のあるマクルーハンを的確に要約し、かつわかりやすくまとめてある。 個人的に面白かったのはジョン・レノンとの対談や、現代アートとの関係性だ。それらは今日的な問題の連なりのひとつであり、インターネットの隆盛に伴ったマクルーハン・リヴァイバルともいえる今へなめらかに接続してくれる。 何がメディアなのか、すべてはメディアだというのか? そういうことを考えるヒントとして、まずは書をとってみるのは悪くない。マクルーハンの原典をいきなり読むのは、けっこうしんどいからだ。 マクルーハンの光景 メディア論がみえる [理想の教室] (

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    noreply 2008/07/22
  • 「ゲームラボ 8月号」 - モナドの方へ

    ソワカちゃんのためにゲームラボを10数年ぶりに購入しました。いや前に買ったのはバッ活の頃だったかも。 それにしても伊藤剛せんせーがやってくれました!一応マンガのことを書かないといけない連載なはずなのに、ごり押しでソワカちゃんですよ。 その辺のいきさつは、こちら 今月の「ゲームラボ」のコラムでソワカちゃん紹介記事を書きました。 - 伊藤剛のトカトントニズム とりあえずソワカちゃんの記事が活字になっただけでもめでたいので、連載分は二ページだけですが、迷わず購入。なめるように読みました。 いやあ熱い。評論家という以前にファンである感じを全面に出した文章に、こちらもニヤニヤしっぱなし。締めは評論家らしく自説にうまく接続しつつも、最終的に身体論にうっちゃるあたりも、ネタなのか気なのか……それともソワカちゃんにあてられたのか。ネタがネタで横溢されるカオスな感じが大変面白く表現されていると思いました。

  • 押井守「攻殻機動隊2.0」 - モナドの方へ

    見る前の事前情報として、なんでこれを変えるんだろうと思っていたところがあって、気にわんなあと思っていたのだけど、見事にそれをひっくり返された。押井守なめてました。ごめんなさい。 リメイクと言うよりは新たな解釈になっていて、無印と2.0が対となってひとつの物語になっている。なので無印見たことないけど、という人は後でも前でもいいから無印を見たほうが絶対にイイ。 もうひとつのポイントは、我々から見ると違う話になっているんだけど、映画の中の人達にとっては恐らく同じ話であるということだ。そういう差異に注目してみると、SFが提示しうる大きな物語の可能性を感じることができるだろう。 新たに作られた部分としては、漢字イルミネーションがバリバリの都市の風景は非常によかった。ああいう酩酊を催すような入り組んだイメージは、たまらないものがある。一方、少佐の3D映像はいまいち、なんだかんだで人間はリアルじゃない

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    noreply 2008/07/17
  • 「クトゥルー神話の本」 - モナドの方へ

    クトゥルー神話の邪神たちのアートワークや、アーカム関係の資料などを集めたガイドブック的な。なにより表紙のラヴクラフトかっこいい! アートワークはいかにも欧米のファインアートという感じで、よく描けているんだけど、つまらないといえばつまらない。もうちょっと変なのもあってもいい。 史上最小800字でつづるクトゥルー神話賞はなかなか面白くて、「手乗りクトゥルー」「やれやれ、また魚か!」は爆笑もの。大賞受賞作は流石に堂に入っていて、この短さでちゃんと新たなクトゥルー神話を作り上げている。 短いのですぐ読めるという逆スケールメリットもあってコストパフォーマンスはかなりのもの、一読の価値ありだ。 クトゥルー神話の―恐怖作家ラヴクラフトと暗黒の宇宙神話入門 (NEW SIGHT MOOK Books Esoterica エソテリ)posted with amazlet at 08.06.27 学習研究

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    noreply 2008/07/08
  • 村井則夫「ニーチェ――ツァラトゥストラの謎」 - モナドの方へ

    この内容の濃さ、そして突っ込みの方向と度合い、もはや新書ってレベルじゃない。 書は、哲学書としてのツァラトゥストラを解読するというよりは、むしろ悦ばしき知恵としてツァラトゥストラを哲学書以前の神話的小説として読み解こうというだ。それだけに哲学者ニーチェの分析という視点で読み始めると、肩すかしをくらうかもしれない。 まず引き出しの多さに驚かされる。 遠近法主義では光学を論じたり、奇妙な登場人物をアルチンボルドの肖像画を取り出して見せたり、ヒュー・ケナーの「ストイックなコメディアン」をひいて「ユリシーズ」と比較して見せたりと、多芸すぎる。また結合術(アルス・コンビナトリア)をはじめとして、ある種の専門用語がバシバシでてくるので、わかる人には愉快なんだけど、初心者にはさっぱりだろう。このあたりも新書っぽさゼロである。 一貫して文学としてのツァラトゥストラを論じる文学センスも興味深い。 奇書と

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    noreply 2008/05/27
    "悦ばしき知恵としてツァラトゥストラを哲学書以前の神話的小説として読み解こうという本"新書だけど濃い本らしい。ツァラトゥストラは既読なので読んでみたい。
  • 「第四回 monado nite」 - モナドの方へ

    1/26に「第四回 monado nite 〜The Wolrd is undefinition」を開催しました。今回はちょっと調子に乗りすぎて、7時間ほど喋ってしまったんだけど、最後1時間は余計だったような気がします。 前回に引き続きtyoroが内容をまとめてくれました。 →2ヶ月ぶりのmonado niteみーてた - tyoro.txt 内容的には全部ではなく、ゲームの部分だけなんだけど、それだけでもこの長さ。感謝の言葉もありません。 今回は脳内でそれとなくまとめて、キーワードだけを抽出しておき、それらの点を線で結びながら語るという方法をとりました。なので、一通り漏らさず話せたはずです。 当はFF5のマニアックなやりこみの話とかもしようと思ったんだけど、よく考えたら、知らない人が聞いても意味不明なだけなので深くつっこまなくて良かった。 しかし重要な話をひとつ落としてまして、それは告

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    noreply 2008/01/29
    "世界は枠組みとしては恐らく存在している、けれどもその境界線を画定することは永遠にできないのだ"
  • グレゴリー・チャイティン「メタマス!」 - モナドの方へ

    これはすごい! 個人的には「ゲーデル・エッシャー・バッハ」や「皇帝の新しい心」に匹敵するくらいのだと思っている。ライプニッツ礼讃ということでひいき目に見ているところはあるにしても、書で言及されていることは、最高にセンス・オブ・ワンダーだ。 数学、そしてデジタル哲学をテーマにしているんだけれども、冒頭からカフカの「掟の門」である。ここでまずガツンとやられる。それから、不完全性原理→プログラム停止問題→ディオファントス方程式→LISP→DNA……と展開してゆき、これらが抽象的には同型の問題であるということを明らかになってゆく。 書でのコアとなってくる考え方がアルゴリズム情報量というものである。これは、ある数字列を生成する最短のプログラムを考えることで、その数字列の情報量を定義するというものだ。0.123だったら、簡単にはputs("0.123")みたいにベタで書いてしまう方法もある。でも

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    noreply 2008/01/08
    「冒頭からカフカの「掟の門」である…それから、不完全性原理→プログラム停止問題→ディオファントス方程式→LISP→DNA……と展開してゆき、これらが抽象的には同型の問題であるということを明らかになってゆく」
  • フリードリヒ・キットラー「グラモフォン・フィルム・タイプライター」 - モナドの方へ

    書は、グラモフォン(蓄音機)、フィルム(映画)、タイプライターというテクノロジーが、いかにメディアに影響を与えるか、広く言えば人間の精神活動に影響を与えるかを、ラカンの理論等を用いながら具体的に例証してゆくである。 たとえば手書きの文章と、キーボードで打った文章と、携帯電話で入力した文章は、同じ人が書いてもかなり違うものとなるし、入力ソフトウェアや出力される形式によってもまた変わってくるだろう。そんなことはクドクド説明しなくたって、ブログをせこせこ更新し、さまざまなwebサービスを使っている我々が今一番身にしみて感じていることではないだろうか。 その割にはテクノロジーの進化がメディア(例えば文学)などにいかなる影響を与えているのかを問うている論考というのは意外なほど少ない。ややもすれば精神主義の立場をとる人から叩かれるほどだ。 さてそんな議論を展開するキットラーだが、大いなる先人マクル

  • 「第二回 monado nite 後半」 - モナドの方へ

    0:30〜3:00位までの流れです。 荒俣宏「理科系の文学誌」 理科系としてのロマン派論など、恐らく荒俣宏の著作の中でも最も重要で完成度の高い一冊。 荒俣宏「別世界通信」 これは前回に探し出せなかった読書案内としては最適です。 荒俣宏「想像力博物館」 これは荒俣宏つながりで出した、ただの自慢。想像力博物館の学芸部長は高山宏である。 想像力博物館 松岡正剛「全宇宙誌」 当に凄いというつながりで紹介。 残念ながら持ってはいない。ただし読んだことはある。 近くの図書館にこのがある人は、絶対に一度見ておくべき。 全宇宙誌 (1979年) バーバラ・スタフォード「ボディ・クリティシズム」 自慢つながりで、スタフォードやキットラーに会ったと言うことを自慢。そのときの模様はこちら。 →「ユビキタス・メディア: アジアからのパラダイム創成」基調講演 - モナドの方へ ちなみにの内容につい

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    noreply 2007/10/17
    印刷した。
  • 「第二回 monado nite 前半」 - モナドの方へ

    21:00〜0:30位までの流れです。 ウォルター・J・オング「声の文化と文字の文化」 まず今回のテーマとなるのが音声文化から文字文化への変遷。非常に衝撃を受けたバイブル的な一冊。 「マクルーハン理論」 で、メディア論といえば、言わずと知れたマクルーハン。 マーシャル・マクルーハン「グーテンベルグの銀河系」 マクルーハンといえばやっぱこれなんじゃないかな。これから読むんだけど、勝手に内容を想像して紹介。たぶんそんなに間違ってなかったはず。 グーテンベルグの銀河系 (1968年) ベネディクト・アンダーソン「想像の共同体」 グーテンベルグのインパクトのひとつとして、マスメディアがある。マスメディア文化がなければ、近代国家はありえなかった! フリードリヒ・キットラー「グラモフォン・フィルム・タイプライター」 蓄音機、映画、タイプライターといったテクノロジーが文学に大きな影響を与えた。 実はこち

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