近現代文学の名作を集めた講談社文芸文庫には、次に何が出るのかと期待させるところがある。今年の作品を見ても、石坂洋次郎の短編集『乳母車・最後の女』(編・三浦雅士)に始まり、昨年亡くなった文芸評論家、加藤典洋の『テクストから遠く離れて』『村上春樹の世界』、今年亡くなった作家、古井由吉の長編『野川』、国際的に評価の高い多和田葉子の『ヒナギクのお茶の場合 海に落とした名前』などが続いた。そこには『つげ義
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