社長は労働法をこう使え! 向井蘭 著者の向井氏は、日本では数少ない会社側に立っている労働問題専門の弁護士である。つまり、社員を首にしたり、労働組合の対策をしたり、未払い残業代を請求してくる労働者から会社を守ったりするのが、著者の仕事である。 弁護士が書く法律の本は、税理士が書く税金の本と同じぐらい退屈で、つまらなく、そして役に立たない事が多い。なぜなら、学校で教わる法理論と、現実の裁判はぜんぜん違うし、また、テレビなんかの面白おかしい法律番組みたいな、ヘンチクリンな設定でこれは違法か合法かというようなことが、実際の裁判で争われることもほとんどないからだ。そして、弁護士という、いちおう社会的地位がそこそこ高い職業についている人は、どこまでも建前で話さなければいけなかったりする。 そもそも裁判官はひとりで100件とか事件を抱えていて、テレビのバラエティ法律番組に出てくるようなくだらない問題にか
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