社内に蓄積されたさまざまな情報を活用するために、多くの企業で導入が進んでいるのがBI/DWHといったソリューションだ。ただ、こうしたプロジェクトでも「マスタデータ」の管理が不十分であれば、必要な情報が参照できないといった問題が露呈するケースも少なくない。その課題解決のために、近年出てきたのが「MDM(マスタデータ管理)」と呼ばれるパッケージだ。本稿では前後編に分けて、マスタデータにまつわる問題が生じる要因と、MDMを使った課題解決について解説していく。 マスタデータ管理が不十分だとこんな問題が起きる 財務管理や販売管理、あるいは人事管理など、企業が基幹業務で利用する情報システムの多くは「マスタ」と呼ばれる基礎情報をベースに情報を管理している。マスタには「商品マスタ」や「部品マスタ」、あるいは顧客、仕入れ先などの「取引先マスタ」などさまざまな種類があり、たとえば商品マスタならば、個々の取り扱