批評家の東浩紀さんの「AERA」巻頭エッセイ「eyes」をお届けします。時事問題に、批評的視点からアプローチします。 * * * SFアニメ「新世紀エヴァンゲリオン」(以下エヴァ)が完結した。最後の劇場版が8日に公開されたのである。異例の月曜公開にもかかわらず、初日動員は50万人を超えたという。 なぜそれほどの注目を浴びるのか。エヴァの基本は少年少女が巨大人造人間に乗り世界を救う単純な物語である。しかし周辺設定が多様な読みを誘発し、つねに問題作であり続けてきた。 TV版の放映開始は1995年。社会現象になり、阪神大震災やオウム真理教と重ねて語られた。97年の旧劇場版は私小説的なカルト映画で、庵野秀明監督自身が内向的オタクのカリスマになった。21世紀に入ると一転エヴァはクール・ジャパンのアイコンとなり、今度はエンタメの優等生を目指して作り直されることになった。再出発は順調に思えたが、東日
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