「じゃあ、VTMいってみようか!」 視界を遮らない一体型キャノピーいっぱいに広がるアブダビの青い空。その地平線が突然、後方へ消える。いや、動いているのはこっちだ。6Gの加速度が上半身を椅子へ押し付け、腰椎が圧縮され肋骨が押し下げられるのを感じる。呼吸が苦しくなるのを感じるより早く、頭の上から「地球が降ってくる」。裏返しになった機体がゆっくりと横転すると、視界の全てがエメラルドグリーンのペルシャ湾になっていた。 2019年レッドブル・エアレース第1戦、アブダビ大会。室屋義秀選手が2017年最終戦以来1年ぶりの優勝で快進撃の口火を切ったこの大会は、筆者にとっても記念となる大きなイベントだった。エアレース会場で、その飛行を体験することができたのだ。選ばれたレッドブル・エアレースパイロットだけが駆ける空を垣間見た、貴重な経験をご紹介しよう。 レッドブルに、翼を授かる 2019年のレッドブル・エアレ
![エアレーサーだけが見る空 - レッドブル・エアレース体験搭乗記(1) レッドブル、翼を授ける](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/1b3e4e780d0dd91a8a62ea9a6803cd7c05895c8a/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fnews.mynavi.jp%2Ftechplus%2Farticle%2Frbar_ex-1%2Fogp_images%2Fogp.jpg)