町田徹(ジャーナリスト) 【第48回】 2008年10月17日 恐慌を消し止めたブラウン首相と、 火種を残したブッシュ大統領 そのあまりの無能振りから、ごく最近まで「サブプライム(信用力の劣る)首相」と揶揄されてきたイギリスのブラウン首相が一転、歴史的な経済危機から世界を救った最大の功労者として賞賛を集めている。 英政府が先週半ば、他の先進各国に先駆けて、公的資金による主要銀行への包括的な資本注入方針を公表、フランス、ドイツ、米国などが同様の施策に踏み切るリード役を果たしたからである。各国が英国型の対応に踏み切ることになり、世界的な恐慌の嵐が荒れ狂った“暗黒の10月”が今週初め沈静化の兆しを見せたのだった。 それにしても、このサブプライム首相に華麗なる変身を迫った秘密はいったいなんだったのだろうか。 そして、本当に、世界は歴史的な経済危機の封じ込めに成功したのだろうか。 英政府の