「自分の棺桶がほしい!」 これが健康なアラサー女子の切なる願い……? だがどうやら本気なのだな、これが。だって、著者は理想の棺桶を求めて、アフリカはガーナへと旅立ってしまうのだから。 タイトルにある「メメントモリ」は、ラテン語で「死を想え」の意味。そして言わずもがな、「ジャーニー」は旅、つまり本書は一言で言えば「死と旅のエッセイ」である。 旅先で、すごく完璧な瞬間に出会うことがある。(中略)そんなときはデジカメで写真を撮るだけじゃなく、その風景を陽射しや風やにおいといっしょにまるごと象牙や水晶の美しいマウントにリバーサルフィルムとして収めて、つらいときには取り出して氷のように口に含み、その冷たさやなめらかさを心の慰めにできないものか、と願う。人生が終わるまでに、あといくつこんな瞬間を集めていけるか考える。 端正な文章で記される旅の行き先は、西表島、恐山、五島列島、遠野……そして、ガーナ。著
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