[18日 ロイター] チュニジア政変がきっかけとなり、中東地域で拡大した民主化運動「アラブの春」。エジプトでも約30年続いたムバラク政権が崩壊したが、その後の大統領選挙などをめぐる一連の出来事は、首都カイロ中心部のタハリール広場に集まった民衆が思い描いていたシナリオとは異なる結末を迎えている。 反政府デモを行ったエジプト国民は、独裁者を退陣させ、同国で初めてとなる開かれた大統領選挙を実現させた。しかし今では、その全てをイスラム主義の大統領に奪われてしまう可能性が出てきた。それだけではなく、ムバラク前大統領を支えた軍の司令官らは現在でも同国を統治し続けている。 エジプト最大のイスラム原理主義組織ムスリム同胞団は、傘下政党「自由公正党」のムハンマド・モルシ党首が、大統領選の決選投票で対立候補のアハメド・シャフィク前首相を破ったと発表。しかし一方で、同国を暫定統治する軍最高評議会は、当面は実権掌