ホワイトハウス前の路上で片膝をつき、抗議するデモ参加者ら=首都ワシントンで2020年6月3日午後2時14分、鈴木一生撮影 なぜ米国の抗議デモは瞬く間に拡大したのか――。中西部ミネソタ州で起きた白人警察官による黒人男性暴行死事件で、多くの国民の怒りが全米に広がっている。人々はどんな思いで声を上げているのだろう。歴史的な規模に膨れあがったデモの現場を特派員が歩いた。 ワシントンDC 「デモ参加者『今までとは違う』」 「『ママ……』と叫んだ声が耳から離れない」。首都ワシントンのホワイトハウス前で3日、デモに参加していた黒人女性のキャサリン・ローレンスさん(60)は記者の腕をつかみ、涙ぐんだ。事件で死亡したジョージ・フロイドさん(46)は5月25日、白人警察官に首を膝で押さえつけられながら「息ができない。ママ」とうめき、意識を失った。その後、病院に運ばれて死亡が確認された。 13歳の息子がいるロー