津波に多くの民家が押し流された現場で救助活動にあたる静岡県の緊急消防援助隊=福島県相馬市の磯部地区で2011年3月16日午後2時45分ごろ(静岡市消防局提供) 「福島第1原発の20〜30キロ圏内に残っている病院の患者を搬送してほしい」。同原発2号機と4号機で爆発があった翌日、福島で活動していた静岡県の緊急消防援助隊にそんな依頼が来た。依頼主は総務省消防庁。事前に同庁から放射線対策の指示を受けておらず、備えもなかった静岡側が搬送を拒否すると、市民から抗議や批判が相次いだ。だが、混乱した状況下の判断に理解を示す消防関係者もいる。【山田毅】 【原発復旧作業の実態 写真つき】食事2回、夜は雑魚寝 静岡隊を指揮していた静岡市消防局によると、総務省消防庁から電話で要請があったのは3月16日午後4時ごろ。福島第1原発では前日の15日、2号機と4号機で爆発があったほか、原発周辺の放射線量が急上昇。16