大阪南部や奈良を地盤とする近鉄百貨店の基幹店舗「あべのハルカス近鉄本店」(以下、近鉄本店)。地上300mの日本一の超高層ビルに入居し、「売り場面積は日本最大」と鳴り物入りで開業したこの店舗が、ここにきて活況を呈している。 今年10月の近鉄本店の売上高は前年同月比で21.1%増と、百貨店業界の中では異例ともいえる伸びを見せた。近鉄百貨店のIR(投資家向け広報)担当者は「今までに見たことのない数字で、びっくりしている」と驚きを隠せない。11月については現時点で発表されていないが、20~30%増で着地したもようだ。 免税売上高は1割程度にすぎない ライバルであるほかの百貨店と同様に訪日客需要が旺盛で、近鉄本店の10月の免税売り上げは前年同月比で約8倍と大幅な伸びを記録。一見すると訪日客需要が牽引役にも思えるが、実は近鉄本店の売上高において、免税売り上げが占める割合は1割程度にすぎない。 最大の牽