世界に先駆けて、ワクチン接種を進めたイスラエルや英国では、ワクチン2回接種者が感染する「ブレイクスルー感染」が次々に発生しており、感染が収束する兆しは見えない。こうした状況を見て、反ワクチン派の識者のなかには「ワクチンには感染や発症予防効果がないばかりか、むしろ感染を促進するリスクがある」と主張する向きもある。 ベストセラー『新型コロナワクチン「本当の真実」』の著者である宮坂昌之・大阪大学免疫学フロンティア研究センター招へい教授は、こうした見方に否定的だ。それでは、ワクチン接種が進んだイスラエルや英国で起きている急激な感染拡大はなぜ起きているのだろうか。免疫学の権威が解き明かす、謎のからくりとは。 ワクチン接種するから感染者が増えるのではない イスラエルの最近の感染者の急増を見て、ワクチン接種自体がむしろ感染拡大を促進しているファクターだと考える人もいますが、私の意見はまったく違います。