愛知県碧南市の鋳造会社が昨年12月に発売したばかりの「肉がおいしく焼ける」こだわりの鉄製フライパンが口コミなどで評判になり、自社サイトのみでの販売ながら注文から納品まで45日待ちの人気ぶりだ。その名も「おもいのフライパン」。商品開発にかけた「思い」とは? 開発したのは、石川鋳造の4代目石川鋼逸(こういつ)社長(45)。熱したフライパンに溶き卵を流し込むと、ジューッと音がする。「普通のフライパンではこの音がなかなか出ない。熱伝導が良い証拠です」とうれしそうな顔をする。鋳物のメリットは、熱伝導が良くしかも均一で焼きムラができないことや蓄熱温度の高さ、それを生かしたのが「おもいのフライパン」だ。 直径約20センチと小ぶりだが、持つとずっしり重い。重さは1・2キログラム。ただ、持ち手の重みとのバランスがとれていて、意外に扱いやすい。重いのは厚みが5ミリあるためだが、肉をおいしく焼くには必要な厚みだ