日本企業の99.7%が中小企業であるにもかかわらず、書店には大企業の経営戦略本が数多く並んでいます。ましてや世界の中小企業の事例の本など見つかりません。そこに注目した、ミラノ在住のビジネスプランナー安西洋之さんは『世界の伸びている中小・ベンチャー企業は何を考えているのか?』を執筆しました。本書のなかに日本の中小企業の事例として取り上げられているのが、株式会社東京糸井重里事務所。同社を率いる糸井重里さんと中小企業と仕事しながら中小企業を観察している安西洋之さん。本書のテーマを切り口に繰り広げられたお二人の特別対談をお届けします。(構成/崎谷実穂) 店の売り子は美人な方がいい? 安西洋之(以下、安西) 糸井さん、「今日のダーリン」※1で、今日(取材日)は「売り子」の話を書かれていましたね。売り子というのは、全人間力が試されるような仕事だと。 ※1 ほぼ日刊イトイ新聞のトップページにある、糸井重