世界的な信用収縮により、企業の資金調達は加速度的に厳しくなっている。こうした中、商品や製品を担保にした資金調達が急速に広がりつつある。 パイオニアは2月、メインバンクである三菱東京UFJ銀行など5行とのシンジケート・ローン(約500億円見込み)で、カーナビゲーションや近く生産終了するプラズマテレビといった国内向け製品を担保にした。テレビ事業の低迷に自動車不況が重なって、2009年3月期は巨額の営業赤字を見込むパイオニア。昨年9〜12月の3カ月間で手元現預金の4割が蒸発し、資金繰りが逼迫していた。「金融機関などとの財務面でのパートナーシップを喫緊で模索」(小谷進社長)する中、製品を担保にすることで足元をつないだ。 米国発のABL 05年以降に日本で急増 家電量販のラオックスも2月、物流倉庫や店頭にある家電等の商品を担保に約3億円を借り入れた。同業大手の安値攻勢と消費不況にあえぐラオックス