上毛電鉄は、開業した1928年(昭和3年)当時の主力車両で、現在はイベントや貸し切り列車として不定期に使う「デハ101」を、3月から月1回、定期運行させる方針を決めた。根強い鉄道ファンの要望に応えると同時に、厳しい経営状態の中でも存続できるよう、PRを兼ねた試み。昨年の改修で、内装もほぼ昭和初期の雰囲気に戻ったレトロな車両が、再び前橋と桐生の街を行き来するようになる。 同車両(全長約16メートル、幅約2・7メートル、高さ約4メートル)は、車軸の上にモーターが付く。振動が客室にじかに伝わり、乗り心地は良くないが、「昔懐かしさが、ファンにはたまらない」(同社)という。特徴ある「ウ~」という低い駆動音さえ、人気の理由の一つになっている。現在の内装は、白熱灯、手すりも丸みのある木製と凝っている。 車両は、80年まで2、3両編成で中央前橋―西桐生間(25・4キロ)を時速60~70キロで、1日に何往復