「作り手への迷惑行為が急増している」と語るアニメ監督の幾原邦彦さん=東京都三鷹市で2023年9月13日、宮本明登撮影 「私の作品が盗用されています。深い傷を心に負いました」――。有名アニメ監督の元に、SNS(ネット交流サービス)を通じて心当たりのない「抗議」が寄せられた。相手は見ず知らずの女性で、仕事仲間にも同様のメッセージが届き、事態は関係するイベントの中止にまで発展した。監督は女性に賠償を求める訴訟を起こし、法廷に立った。胸中にあったのは「京アニ事件」と、業界の未来への危惧だった。
警察庁や国家公安委員会などが入った中央合同庁舎第2号館=東京都千代田区で2022年8月25日午後2時38分、北山夏帆撮影 改正道路交通法の施行期日に関する政令が20日に閣議決定され、2023年4月1日から全ての自転車利用者にヘルメットの着用が義務づけられることが決まった。罰則のない努力義務となる。すでに13歳未満の子どもについては、保護者に着用させる努力義務が課せられているが、対象が拡大されることになる。 警察庁によると、17~21年に自転車乗車中の事故で亡くなった2145人のうち、約6割の1237人は頭部に致命傷を負っていた。死傷者数に占める死者の割合を示す「致死率」は、着用者が0・26%だったのに対し、非着用者は…
米短文投稿サイト「ツイッター」を買収したイーロン・マスク氏が16日、「長時間、猛烈に働く」ことに賛同できないなら退職するよう迫るメールを社員に送った。メールに添付したリンクで「イエス」をクリックしなければ解雇すると示唆している。複数の米メディアが報じた。全社員の半数の約3700人を解雇したうえで在宅勤務を認めない方針も示しており、急激な環境変化で社内の混乱が続きそうだ。 米CNBCテレビによると、マスク氏はメールで「世界的に競争が激化する中でツイッターが成功するには、極端にならなければならない。これは長時間、猛烈に働くことを意味する」と主張。「もし新しいツイッターの一員になりたいなら、添付したリンクでイエスをクリックしてほしい」と求め、「明日午後5時(米国時間17日午後5時)までにそうしなかった社員は3カ月分の解雇手当が支払われるだろう」とした。
東京オリンピック・パラリンピックを巡る汚職事件で、大会組織委員会元理事の高橋治之容疑者(78)=受託収賄容疑で再逮捕=に賄賂を渡したとして贈賄容疑で逮捕された出版大手「KADOKAWA」(東京都千代田区)社員で元五輪担当室長の馬庭(まにわ)教二容疑者(63)が、東京地検特捜部の調べに容疑を認めていることが関係者への取材で判明した。大会スポンサーに選定された謝礼として元理事側に計約7600万円を送金したという趣旨の供述をしているという。 元理事は知人のコンサルタント会社「コモンズ2」(中央区)社長の深見和政容疑者(73)=受託収賄容疑で逮捕=と共謀して、KADOKAWAからスポンサーに選ばれたいとの依頼を受け、2019年7月~21年1月に10回に分けて計約7600万円の賄賂を受け取った疑いがある。贈賄容疑では、馬庭元室長の他に同社顧問で当時専務の芳原世幸(よしはらとしゆき)容疑者(64)が逮
子育て交流サロン「赤ちゃん天国」を視察する岸田文雄首相(右)=東京都中央区の区立新川児童館で2022年5月12日午前9時4分(代表撮影) 2021年の合計特殊出生率が「1・30」と、1947年の統計開始以来、過去4番目の低さとなった。所得が増えないことから将来に希望が持てないことに加え、新型コロナウイルスの感染拡大が低下に拍車をかけた。子どもを持つことに踏み出せない状況が続き、人口減少のスピードが加速化している。【石田奈津子、寺町六花】 3日に公表された合計特殊出生率(1・30)と出生数(81万1604人)を、国立社会保障・人口問題研究所が17年に公表している人口の将来推計(中位シナリオ)と比べると、少子化のスピードが想定以上だということが明らかになる。将来推計では21年時点の出生率は1・40で出生数は86万9000人と今回の数値を上回る。約81万人という出生数は27年の推計と同等の水準で
衆院厚生労働委員会で答弁する新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身茂会長=国会内で2021年6月2日午後4時5分、竹内幹撮影 政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身茂会長は2日の衆院厚生労働委員会に出席し、東京オリンピック開催について、「今の状況で普通は(開催は)ないが、やるということなら、開催規模をできるだけ小さくし、管理体制をできるだけ強化するのが主催する人の義務だ」と主張。その上で、「こういう状況の中でいったい何のためにやるのか目的が明らかになっていない」と述べ、開催する場合は感染予防に向けた政府による丁寧な説明が必要だとの認識を示した。 尾身氏は「感染リスクを最小化することはオーガナイザー(開催者)の責任。人々の協力を得られるかが非常に重要な観点だ」と指摘。その上で「なぜやるのかが明確になって初めて市民はそれならこの特別な状況を乗り越えよう、協力しようという気になる。国が
東京オリンピック・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長(83)は、女性を蔑視する発言をした責任を取り、会長を辞任する意向を周囲に伝えた。11日、複数の関係者が明らかにした。組織委が12日に開く緊急会合で表明する見通し。 問題の深刻化を受けて、組織委は12日午後、評議員、理事を集めた合同懇談会を開く。当初は経緯を説明、陳謝し、続投への理解を求める方針だった。だが国内外に反発が広がり、今夏の大会準備への影響も出始めていた。 発言を受けては、国内外のメディアから「性差別的」と厳しい批判を浴び、SNS(ネット交流サービス)でも辞任を求める声が相次いだ。10日には東京都の小池百合子知事が今月中旬で調整されていた国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長らとの五輪に向けたトップ級の4者協議を「今ここで開いても、あまりポジティブな発信にはならないんじゃないか」と述べ、欠席する意向を表明。野党
複数の香港メディアによると、香港警察は10日、著名な民主活動家、周庭(英語名アグネス・チョウ)氏(23)を香港国家安全維持法(国安法)違反容疑で逮捕した。警察は同日、民主派の香港紙「蘋果日報」などを発行するメディアグループの創業者、黎智英(れいちえい)氏(71)や同紙幹部ら7人も国安法違反などの疑いで逮捕しており、民主派への取り締まりを本格化している。 周氏は国際社会に香港民主派への支持を呼びかけ、日本でも広く知られている。2012年、愛国教育の導入に反対する運動に参加。14年に民主的な選挙制度の実現を目指した「雨傘運動」でも学生団体のリーダーの一人として活動した。その後、政治団体「香港衆志」に所属して政治活動を続けたが、今年6月の国安法の施行後は香港衆志を解散し、個人で活動を続けていた。逮捕容疑の詳細は不明だ。
新型コロナウイルスの感染拡大で深刻なマスク不足が生じているのと同じように、ある名著の在庫切れが全国の書店で相次いでいる。フランスのノーベル文学賞作家、アルベール・カミュ(1913~60年)が47年に発表した小説「ペスト」。閉鎖された環境下で伝染病の脅威と闘う登場人物の姿や、後手に回る行政の対応を描いた場面に、日本の現状を重ねる人が多いのかもしれない。 カミュは第二次世界大戦中に新聞記者として反戦記事を書くなど活躍し、「異邦人」で小説家デビュー。病気や戦争など、理屈や信仰だけでは対峙(たいじ)できない不条理をテーマに小説を書き続けた。 「ペスト」は40年代のアルジェリア西部のオラン市が舞台。高い致死率を持つ伝染病の発生が確認されたことで街が封鎖され、愛する人との別れや孤立と向き合いながらも見えない敵と闘う市民を描く。予防措置に慎重な姿勢を示す役人に対し、主人公の医師リウーが「市民が死滅させら
ネット通販大手のアマゾンジャパンは6日、全国の書店からの注文に応じて自社が仕入れた本を卸すサービス「仲間卸」を今月中にも開始すると発表した。購買力の弱い地方の小規模な書店にベストセラーなど売れ筋の本を卸すことで、消費者のニーズに幅広く応えるのが狙いだ。ただ、事実上の「取り次ぎ」業務への参入ともいえ、これまでの出版流通のあり方に影響が出る可能性もある。 現在の出版流通は、出版社が取次店に卸し、取次店が書店に卸す方式が一般的。しかし以前から、地方の小規模な書店に対し、売れ筋の本を取次店がなかなか卸さないことが問題になっていた。同社はこうした問題を解消しようと、「仲間卸」の導入を決めたという。同社の担当者は記者会見で「書店向けの取引を開始し、より多くの読者に本を届けていきたい」と語った。
廃虚化が進む高さ約100メートルの世界平和大観音像=兵庫県淡路市釜口で2019年9月29日午後0時56分、目野創撮影 兵庫県・淡路島で、1980年代初めに建設された高さ約100メートルの巨大観音像が所有者不在のまま放置されている。老朽化で外壁は崩れ、敷地も荒れ放題で廃虚化。現在は弁護士が管理しているが、高額な解体費用や税金がネックとなり、買い手が付かない状況だ。住民は台風などによる倒壊、不審者の侵入などに不安を募らせる。【目野創】 島の北東岸、国道28号沿いにある「世界平和大観音像」(同県淡路市釜口)。地元出身の実業家の男性が1982年に建立した。コンクリート造りの観音像(高さ約80メートル)が5階建ての台座ビル(同20メートル)の上に載り、大阪湾に向かってそびえる。そばには高さ約40メートルの「十重の塔」も。日本最大の仏像という触れ込みで、観光施設として造られた。首付近に展望台があり、か
政府は数年後をめどに、1万円などの紙幣の肖像画を変える準備に入った。肖像画の変更は2004年以来となる。政府関係者が9日未明、明らかにした。 1万円札は第一国立銀行や東京証券取引所など多くの企業を設立、経営した実業家、渋沢栄一▽5000円札は津田塾大学の創始者、津田梅子▽1000円札は「近代日本医学の…
ネット通販大手のアマゾンジャパンは31日、出版社から書籍を直接購入し、販売する「買い切り」方式を年内にも試験的に始めると発表した。同社は同日の記者会見で、「書籍の返品率を下げるため」と説明し、本の価格設定についても検討する考えを示した。 同社によると、買い切る書籍について出版社と協議して決定。一定期間は出版社が設定した価格で販売するが、売れ残…
東京メトロ丸ノ内線新宿駅構内に掲げられた漫画「さよならミニスカート」の広告=東京都新宿区で2018年11月28日、塩田彩撮影 「いま、『さよなら』をしよう。女の子を、苦しめるものから。」。こんなキャッチコピーが、東京メトロ丸ノ内線新宿駅(東京都新宿区)構内に22日に現れた。月刊少女漫画誌「りぼん」(集英社)で連載中の漫画「さよならミニスカート」(牧野あおいさん作)の広告だ。スカートをはくことをやめた主人公を通して、周囲から求められる女性らしさへの違和感や、それでも「女の子」として胸を張って生きていこうとする女子高生が描かれている。 「さよならミニスカート」は8月に連載スタート。単行本第1巻が今月22日に発売された。主人公は握手会でファンから切りつけられた事件を機にアイドルを引退した女子高生。事件後、元アイドルという肩書を伏せ、男子生徒と同じスラックスの制服で学校に通う。第1巻は変質者や痴漢
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