『変態村』というあまりにもキャッチーで狂った邦題のため、「ひいて」いる人も多かろうと思うが、そういった人の背中を押してあげるのも弊ブログの役割であるからして(今決めた)、ここに私見を書き連ねることとする。傑作。本作は紛れもない傑作ですっ。 これは何も逆説的に言おうとしているわけではなく、わたしが映画の良し悪しを判断する材料のひとつである「観終えたあとの余韻」が素晴らしく長引いたからで、ヨーロピアンな淡々とした、且つ美しい画作りと、後述する「文学性」がその要因であったことは主張しておきたい。原題である『Calvaire』。「キリストの受難」を意味するこのタイトルこそこの映画の本質であり存在理由である。「Calvaire」には「不愉快な出来事」「不幸な出来事」といった意味もある。『変態村』という字ヅラのインパクトに目が眩んでいる人は、是非ともこの原題『Calvaire』を頭に置いて本作を鑑賞