著者: マキタスポーツ 書を捨てよ、メシを食おう――。有名店を食べ歩くのでもなく、かといって大衆酒場ばかりを飲み歩くのでもなく、たとえ他人に「悪食」と言われようとも、あくまで自分の舌に正直に。大事なのは私が「うまい」と思うかどうか。情報や流行に背を向けて、己の「食道」を追究する――これ即ち、土俗のグルメである。自称「食にスケベ」な芸人が、「美味しい能書き」を存分に垂れるメシ論。 ただ「酔っ払いたい」だけ なぜ酒を飲むのか――。 そんな本質的なことを考えないまま、日頃から私は酒を飲んでいる。問いの答えは、強いて言えば「酔っ払いたいから」。それが一番しっくりくる。酒の味が好きとか、みなでワイワイとやるのが好きとか、そういうことでもなくである。 「酔っ払いたい」。 あゝ、なんてダメな取り組み方なんだろう。であるからして、若い頃はかなりの失敗をしていた。 だいたいにおいて、意識が無くなるまで飲まな
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