情報システムの良しあしはアーキテクチャーで決まる――。よく言われることだが、これは正しいのだろうか?正しいとは思うが、どうもふに落ちない。たぶん「アーキテクチャー」が何を指すのかが明確ではないからだと思う。 アーキテクチャーという言葉を聞いたことのないITエンジニアはいないだろう。IT業界だけで使われる言葉ではないが、IT業界では「システム」や「ソフトウエア」といった言葉とくっついて頻繁に使われている。しかし、よく使われる言葉にもかかわらず、それが何かを明確に説明できる人は少ないと思う。 「アーキテクチャーとは、システムやソフトウエアの構造のこと」と説明を受けることがある(他にもいろいろな説明がなされるが、ここでは話を分かりやすくするため「構造」で説明されるケースに絞る)。 ここでいう構造とは、例えば「ハードウエアが何台あってそこにどんなミドルウエアが動いて何の役割を果たすのか」「アプリケ