数回にわたりマイグレーション(移行)に関するテーマが続いたので、今回は原点に戻り“ITアーキテクチャーの正体“に迫ってみたい。これまでITアーキテクチャは業種や企業の特性によってオンリーワンであると説明してきたが、さらに言えば、建築様式がそうであるのと同様にITアーキテクチャは時代や社会的背景によって変化する。従って、アーキテクトは社会的風潮に敏感でなければならない。 図1はEA(エンタープライズアーキテクチャ)の各レイヤを表した”よく見かける三角形の図”である。ここで着目したいのは抽象的なビジネス、データの下側に、より物理的な特性を持つ技術、アプリケーションの層があることである。特筆すべきは、最下層に位置するTA(Technical Architecture)の進化が目ざましく、これに連れてAA(Application Architecture)も影響を受けて数年毎に変化する点にある。I