日本鰻協会が作製した天然ウナギの漁獲自粛を呼び掛けるポスター(同協会提供) ウナギの品薄と高値が話題になっている。背景にあるのはウナギ資源の急激な減少だ。養殖ウナギの「原料」になる稚魚のシラスウナギも、親のウナギも近年、漁獲量が急減し、資源は危機的な状況にある。国内の漁獲規制や周辺国との国際協力など、資源管理態勢の強化が急務なのだが取り組みは進まず、ウナギは、資源の枯渇はおろか、種の絶滅が懸念されるまでになってきた。 ウナギ漁には、成魚のウナギを漁獲する親ウナギ漁と、回遊してきたシラスウナギを沿岸で漁獲する漁とがある。 1961年には年間3400トン近くもあった親ウナギの漁獲量は現在では200トン近くにまで減少した。天然ウナギは日本の全消費量の0・5%にも満たず、国内で消費されるウナギのほぼすべては、国内外の「養殖もの」になっている。 だが、養殖向けのシラスウナギの漁獲量も63年には230