ソフトウェアシステムを状態遷移機械(state transition machine)によってモデル化することは、やっぱり非常に大事なことだなー、と感じたりする今日この頃。んで、状態遷移の話をしようかな、という気分になりました。続き物にはしませんが、散発的に何回か書くと思います(たぶん)。 内容: 空間と運動 アルファベットと遷移 実例:カウンター 非決定性遷移 非決定性の事情 ●空間と運動 あるシステムが取り得るすべての状態の集合を状態空間と呼びます。「空間」という言葉を使ったいきがかり上、個々の状態のことを状態点と呼ぶこともあります。例えば、onとoffのスイッチなら{on, off}が状態空間です。 「取り得るすべての状態」は、現実的というよりは“概念的に”取り得るすべての値のことです。例えば、理想的な温度計を考えて、摂氏により計った実数値を“状態”と考えれば、S = {x∈R |