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ブックマーク / nikubeta.hatenablog.com (11)

  • 誰がメガテリウムを見つけたか Duarte, "Between the National and the Universal" - オシテオサレテ

    Regina Horta Duarte, "Between the National and the Universal: Natural History Networks in Latin America in the Nineteenth and Twentieth Centuries," Isis 104 (2013): 777-87. http://www.jstor.org/stable/10.1086/674944(無料で閲覧可能) 自然誌の歴史に関心を持つ者なら、キュビエのメガテリウムのことを知っているだろう。だがこの偉大な比較解剖学者がメガテリウムをパラグアイの動物とあやまって呼んでいたことは知られているだろうか。実際には化石は今のアルゼンチンの領土であるルハンという街で発見されていたのだ。発見したのはその街でうまれたドミニコ会士であった。 この事例はいくつものことを教えて

    誰がメガテリウムを見つけたか Duarte, "Between the National and the Universal" - オシテオサレテ
  • ボイルのジレンマ 機械論か種子原理か Anstey, "Boyle on Seminal Principles" - オシテオサレテ

    Peter R. Anstey, "Boyle on Seminal Principles," Studies in History and Philosophy of Biological and Biomedical Science 33 (2002): 597–630. http://www.ingentaconnect.com/content/els/13698486/2002/00000033/00000004/art00025 ロバート・ボイル研究史のうちで重要な位置をしめるのがAntonio Clericuzioによる1990年の論文である。「ボイルの化学と粒子哲学の再定義」と題された論考のなかでClericuzioは機械論哲学の提唱者であるボイルが、じつは化学物質の性質を粒子の形、大きさ、位置からは導きだしていなかったり、事物の生成を説明するときに種子原理(seminal

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  • 中世における世界の完全性 Grant, Planets, Stars and Orbs - オシテオサレテ

    Planets, Stars, and Orbs: The Medieval Cosmos, 1200?1687 作者: Edward Grant出版社/メーカー: Cambridge University Press発売日: 1996/07/13メディア: ペーパーバック クリック: 6回この商品を含むブログを見る Edward Grant, Planets, Stars, and Orbs: The Medieval Cosmos, 1200–1687 (Cambridge: Cambridge University Press, 1994), 136–49. グラントの大著から、世界の完全性について論じた部分を読みました。完全な神が世界を創造した。ではその創造された世界もまた神と同じように完全なのだろうか。一般的にスコラ学者たちは、世界は絶対的な意味で完全ではないと考えました。なぜな

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  • 金なくして化石なし 古生物学と古人類学 - オシテオサレテ

    Peter C. Kjærgaard, "The Fossil Trade: Paying a Price for Human Origins," Isis 103 (2012): 340–55. http://www.jstor.org/stable/10.1086/666365(無料ダウンロード可能) 科学における金(money)を扱った特集から、古生物学・古人類学を取り上げた論文を読みました。 化石は生命の歴史を解き明かす貴重な証拠であるだけでなく(というかそうであるからこそ)、金銭的価値を持つものです。古生物学の歴史研究はこの化石の商業的価値の側面を考慮する必要があります。この分野の歴史では、化石を売ったり買ったりという事例を多く見出すことができます。たとえばメアリー・アニングは収集した化石を売ることで父亡き後の一家の生計をたてていました。ダーウィンはビーグル号での航海途中に現地の

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  • 出版者と学術書の運命 - オシテオサレテ

    Picturing the Book of Nature: Image, Text, and Argument in Sixteenth-Century Human Anatomy and Medical Botany 作者: Sachiko Kusukawa出版社/メーカー: Univ of Chicago Pr発売日: 2012/05/21メディア: ハードカバー購入: 2人 クリック: 195回この商品を含むブログ (19件) を見る Sachiko Kusukawa, Picturing the Book of Nature: Image, Text, and Argument in Sixteenth-Century Human Anatomy and Medical Botany (Chicago: Chicago University Press, 2012), 48–61.

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  • 初期近代における数学的機器 - オシテオサレテ

    Jim Bennett, "Early Modern Mathematical Instruments," Isis 102 (2011): 697–705. http://www.jstor.org/stable/10.1086/663607 オックスフォード大学大学で博物館員をつとめる筆者は、初期近代の自然認識の変革に機器とその製作者たちがなした貢献を長年に渡って探求しています。機械論哲学というのは、まさに機械職人たちを淵源とするのだという影響力のある論文も執筆しています。ここで紹介するのは、科学史雑誌Isisの最新号の特集「科学的機器の歴史」に彼が寄せた論文です(リンク先から無料で入手可能)。 16世紀から18世紀にかけて、数学的機器(アストロラーブ、日時計、四分儀、セオドライト、銃などの照準具)は継続的に、また大量につくられていました。その量は歴史家の関心を引いてきた望遠鏡、顕微鏡

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  • 科学革命の舞台 プリンシペ『科学革命』#1 - オシテオサレテ

    Very Short Introductions: Scientific Revolution No.266 作者: Lawrence M. Principe出版社/メーカー: Oxford University Press (Japan) Ltd.発売日: 2011/05/19メディア: ペーパーバック クリック: 22回この商品を含むブログを見る Lawrence M. Principe, The Scientific Revolution (Oxford: Oxford University Press, 2011), 1–20. 科学革命に関する最新の概説書です。著者はロバート・ボイルの錬金術研究『野心的アデプト』で著名なLaurence Principeです。 1500年から1700年までの科学革命期は中世からの連続と変化がともに見られる時代ととらえることができます。第1章ではそ

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  • 地球外生命体の歴史 - オシテオサレテ

    Isis(科学史の専門誌)の書評を見ていたら、地球外生命体についての発言を集めた資料集が紹介されていました。 The Extraterrestrial Life Debate, Antiquity to 1915: A Source Book 作者: Michael J. Crowe出版社/メーカー: Univ of Notre Dame Pr発売日: 2008/10/15メディア: ペーパーバック クリック: 2回この商品を含むブログを見る http://books.google.co.jp/books?id=bl-GNAAACAAJ&dq=the+extraterrestrial+life+debate&hl=ja&ei=U9K_TJC0B8eHce_GwZoM&sa=X&oi=book_result&ct=result&resnum=3&ved=0CDgQ6AEwAg もう二年も前に

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  • 山田「ステノとキュビエの化石観」 - オシテオサレテ

    山田俊弘「ステノとキュビエの化石観:比較研究の試み」『亀井節夫先生傘寿記念論文集』2007年、259–267頁。 ニコラス・ステノ(1638–86)とジョルジュ・キュビエ(1769–1832)の化石に関する洞察を比較することを通じて、両者のあいだに見られる共通性を取り出そうとする論考です。ステノは化石と現生動物の比較から、かつての動物のあり方を復元し、さらには地層ごとの化石の出現状況から地球の歴史を再構成しようと試みていました。キュビエはこの手法を発展させ、明確に定式化された原理に依拠して解剖学的な所見を動物のあり方の復元に生かし、そこから明らかにされる動物相の断絶から地球がかつて被ってきた大激変の歴史を再構成するということを行いました。 動物学がこの興味深い発見を負うのは解剖学なのです。それは、動物学が、これらの動物を外部からだけ観察しては完全には達成できない発見なのです。しかしここに、

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  • 地球の歴史の再構成 その着想源と担い手 - オシテオサレテ

    Bursting the Limits of Time: The Reconstruction of Geohistory in the Age of Revolution 作者: Martin J. S. Rudwick出版社/メーカー: Univ of Chicago Pr発売日: 2007/04/15メディア: ペーパーバック購入: 2人 クリック: 36回この商品を含むブログ (21件) を見る 地球には歴史がある。その歴史は地球上に残された痕跡から再構成することが可能である。このような考えは私たちにとっては至極当然のことのように思われます。しかしこの前提が共有されるようになったのはわずか200年ほど前、つまり1800年頃のことでした。ラドウィックの『時間の限界を突破する』はこの地球の歴史の再構成という営みがいかにして現れたかを調べた研究です。 このはその調査の量と構成の見事さと

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  • 初期近代における「クリスマス終了のお知らせ」 - オシテオサレテ

    「仮庵の祭からサトゥルナリア祭へ:16世紀の年代学でのクリスマスへの攻撃」Carl Philipp Emanuel Nothaft, "From Sukkot to Saturnalia: The Attack on Christmas in Sixteenth-Century Chronological Scholarship," Journal of the History of Ideas 72 (2011): 503–22. http://muse.jhu.edu/login?uri=/journals/journal_of_the_history_of_ideas/v072/72.4.nothaft.html 1600年代の初頭、とあるプロテスタントの学識者は次のように言いました。 もし私が60年前に我らが主[キリスト]は12月25日に生まれたわけではないと言ったならば、私は焼き

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