東京の約1000km南方に、南北約650m、幅約200mの小さな無人島があった。西之島である。2013年11月20日、西之島の海岸線から約300m南東沖に海底噴火が確認され、新島を形成した(2013年11月25日のJAMSTECニュース・コラム参照)。新島は爆発的に、かつ着実にマグマを噴出して成長を続けた。2013年12月、西之島は新島と結合し、一体化した。2014年5月、西之島は、面積は以前の4倍、南北、東西ともに幅1,250mの島に成長した。激しい爆発は船舶の接近を拒み、いまも流出している西之島の溶岩は、未だ採取されていない。しかし、旧西之島は1973年から74年に噴火しており、その噴出物およびそれ以前の溶岩は採取され、分析されている。驚くべき事に、これらの岩石はすべてSiO2(シリカ)量が60%前後の非常に均質な「安山岩」である。安山岩は大陸を形成する物質であり、海の真ん中で噴出する
皆さんは、「ちきゅう」の素晴らしさと巨大な設備が、この掘削調査で使われていることは、これまでの記事で読まれていることと思います。実際に、船上には最先端の機器がたくさんあって、本当に息を飲むようです。でも、ちきゅうでは大きい物だけに最先端のテクノロジーが使われているのではありません。小さく、細かいものにも、日常の生活では使わないような、高度なテクノロジーが使われているのです。今回は、天秤についてお話しようと思います(僕の星座も天秤座だし)。 今日は、この航海で使う数百個の小さいガラス瓶の重さを測りました。「ちきゅう」のラボにある天秤の前で何時間も過ごしたので、天秤と相性のよい友達になったような気分です。 おそらく皆さんは、重さを量る作業だなんて退屈だと思っているでしょう。しかーし!船の上の天秤は最先端のテクノロジーなんです! ゆれる船の上で、普通の天秤を使ってモノの重さを量ることって、
初期生命に近い好熱菌のゲノムをメタゲノム解析で解読 (生命の誕生は熱水環境から) ~初期生命の姿の解明にまた一歩近づいた~ 1.概要 独立行政法人海洋研究開発機構(理事長 加藤康宏)海洋・極限環境生物圏領域の髙見英人上席研究員らの研究チームは、地下鉱山温泉の流路に棲息する微生物群のメタゲノム解析1)を行い、未培養の好熱菌であるCandidatus Acetothermus autotrophicum (以下、「アセトサーマス」という。)のゲノムを概ね解読しました。これによって、アセトサーマスは、古細菌とバクテリアの共通祖先2) (初期生命)が有していたと考えらえているエネルギー代謝機能(アセチルCoA(コエ)パスウェイ)を保持しており、既知のバクテリアの中では最も共通祖先に近いことを見出しました。 このアセトサーマスは、原始地球環境で有利に働いたと考えられる糖質合成酵素FBP aldola
概要: 独立行政法人海洋研究開発機構(理事長 加藤康宏)地球内部ダイナミクス領域の冨士原技術研究主任らは、東北地方太平洋沖地震震源域近傍における海底地形変動の検証を進めています。今回新たに2004年に実施した海底地形調査データも加え、海底地形の変動量を評価しました(平成23年4月28日の既報では、1999年と2011年のデータの比較を行い、海底地形の変動量を報告)。 その結果、1999年から2004年では海底地形の変化は認められないことを確認し、今回の地震後の観測では、震源近傍から海溝軸に至る領域が東南東方向に約50 m、上方に約7~10 m移動(注)したことが明らかとなりました(移動量については、今回さらに詳細な検討を実施)。 本成果については、12月2日付(日本時間)の米科学誌「サイエンス」に掲載されます。 タイトル: The 2011 Tohoku-Oki Earthquake: D
海底地震とその後にやってくる津波。人類はその防ぎ得ない自然現象の姿を捉えようと長年挑戦してきた。「ちきゅう」が採取した岩石サンプルは地震と津波の発生メカニズム解明に寄与し、地震研究に新たな知見を与えると期待される。有機物の一種ビトリナイトに着目し、プレート沈み込み帯先端での地震発生の痕跡を世界で初めて発見した地球内部ダイナミクス領域の坂口有人博士に聞く。 (2011年11月掲載) 地震の常識を覆す証拠を発見 100年から150年ごとにマグニチュード8クラスの巨大地震が発生する南海トラフ。海側のフィリピン海プレートが陸側の大陸プレートの下に沈み込む際のエネルギーが巨大分岐断層に蓄えられ、限界に達すると断層が一気にずれて大地を揺るがす――これが現在考えられている東南海地震発生のシナリオである.しかし具体的には,数ある断層の中で,どれがいつ活動するのかはほとんどわからないままである。 「ちき
1.概要 独立行政法人海洋研究開発機構(理事長 加藤康宏)は、平成23年7月30日から8月14日にかけて「東北地方太平洋沖地震」震源海域の日本海溝陸側斜面において、地震による深海生態系への影響、海水中の化学変化、海底の変動を調べるために有人潜水調査船「しんかい6500」による潜航調査を行いました。 調査の結果、三陸海岸東方の日本海溝海域の水深約3200mから5350mにおいて、海底の亀裂や段差(*1)、海底下からの湧水現象(*2)に伴うバクテリアマット(*3)・海底変色・ナギナタシロウリガイ(*4)の生息、ウシナマコ類(*5)の高密度生息が確認されました(別紙1)。 今後、これらについて検討を進めることとしており、成果としてまとめる予定としております。 なお、当該調査については、今後も継続していくこととしております。 用語説明 *1 海底の亀裂:東北地方太平洋沖地震を含む一連の地震活動で、
深海調査研究船「かいれい」による海底地形調査結果について(速報) ~東北地方太平洋沖地震に伴う震源域近傍における海底変動~ 1.概要 独立行政法人海洋研究開発機構(理事長 加藤康宏、以下JAMSTECという。)では、平成23年3月15日から31日にかけて文部科学省の科学研究費補助金(特別研究促進費)による「2011年東北地方太平洋沖地震に関する総合調査」の一環として、東北地方太平洋沖地震の震源域で反射法地震探査、測深器を用いた海底地形の調査等を行いました。 調査は、東北地方太平洋沖地震の震源域・津波波源域において、JAMSTECが所有する深海調査研究船「かいれい」(以下「かいれい」という。)により、平成11年に実施した調査(KR99-08)と同一測線上で観測したデータ(KR11-05)の比較を行い(図1)、地震に伴う海底地形・地下構造の変化を調べました。 海底地形調査の結果、震源近傍から海
1.概要 独立行政法人海洋研究開発機構(理事長 加藤 康宏)、国立大学法人東京大学(総長 濱田 純一)、国立大学法人高知大学(学長 相良 祐輔)による研究グループは、昨年10月に海洋研究開発機構の有人潜水調査船「しんかい6500」及び支援母船「よこすか」による中央インド洋海嶺ロドリゲスセグメント(図1)の生物・地球化学的調査(課題代表研究者:東京大学大学院工学系研究科附属エネルギー・資源フロンティアセンターセンター長・教授 玉木 賢策)を行い、新たな熱水噴出孔を2ヶ所発見し(図2)、うち一ヶ所において、硫化鉄の鱗を纏わない白いスケーリーフットを世界で初めて発見しました。 これまで、スケーリーフットは世界で唯一インド洋の「かいれい熱水フィールド」(図1A)にしか存在が知られておらず、また他の生物に類を見ない硫化鉄の黒い鱗を持っていることから、その生態が注目されていました。今回新たに発見された
1.概要 独立行政法人海洋研究開発機構(理事長 加藤康宏)地球内部ダイナミクス領域の廣瀬敬招聘上席研究員(兼務:国立大学法人東京工業大学教授)・巽好幸プログラムディレクター、東京工業大学(学長 伊賀健一)の舘野繁彦特任助教及び財団法人高輝度光科学研究センター(理事長 白川哲久)利用研究促進部門の高田昌樹部門長・大石泰生主幹研究員らは、レーザー加熱ダイヤモンドアンビル装置を用いて、地球の中心に相当する超高圧・超高温の状態(364万気圧、5,500度)を実験室内で実現することに、世界で初めて成功しました。この技術により、地上にある物質を用いて地球内部に存在するあらゆる物質を人工的に合成することが初めて可能になりました。 2.背景 地球(半径6,400km)の内部は、何層にもわたる成層構造を成しています(図1)。私たちが立っているのはケイ酸塩により構成される岩石からなる地殻で、その厚さは5 km
統合国際深海掘削計画(IODP) 地球深部探査船「ちきゅう」による南海トラフ地震発生帯掘削計画 ~第322次研究航海(平成21年度第3次研究航海)の結果について~ 1.概要 独立行政法人海洋研究開発機構(理事長 加藤康宏)の運用する地球深部探査船「ちきゅう」は、本年5月10日より、統合国際深海掘削計画(IODP)(※1)による「南海トラフ地震発生帯掘削計画」(南海掘削:NanTroSEIZE)(※2)ステージ2を紀伊半島沖熊野灘にて実施していましたが、9月1日から開始したIODP第322次研究航海(平成21年度第3次研究航海)の終了(10月10日予定)をもって、今年度の南海掘削を完了いたします。第322次研究航海の結果概要を以下の通りご報告します。 2.実施内容 本研究航海では、巨大地震発生帯に運び込まれる物質の初期状態の解明を目的として、フィリピン海プレートが沈み込む南海トラフよりも沖合
「今日の空は、奇麗かな?」 わたしたちの研究グループでは、大気化学モデルを用いた研究の一環として「都市スケール化学天気予報予報システム」の開発および運用を行っています。地球規模の大気汚染物質の動きを全球化学天気図で計算し、その結果をもとに日本付近をさらに細かく都市スケール化学天気図で再計算しています。 はじめに 化学天気図とは ご意見、ご要望および関連するデータをご提供頂ける場合などは こちら までご連絡下さい。
注意事項 ペーパークラフトの著作権はJAMSTECにあります。営利目的で使用または複製することを原則禁止します。別途ご相談ください。 非営利目的のイベント等では自由にご利用ください。可能であれば、使用目的、ご感想、改善点などをお知らせ下さい。 インクジェット用ペーパークラフト紙、または薄手の画用紙のご使用をオススメします。光沢紙を使うとのりがつきにくい場合があります。
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く