ここ数ヶ月間の「いじめ」問題に関して、気になった新聞記事があったので紹介したい。 映画に関する伝説の授業があるという。東大総長も務めた蓮實重彦氏が東大と立教大で担当した授業で、「Shall We Dance?」の周防正行、「CURE」の黒沢清、「黄泉がえり」の塩田明彦、「リング」の中田秀夫ら、日本映画界で現在活躍中の多くの監督に影響を与えたらしい。 蓮實氏は、毎週、課題として上映中の映画を1つピックアップし、受講生に観てくるように指示する。そして、翌週の授業で「何が見えましたか?」と問いかける。少し長くなるが、この授業での典型的なやりとりを引用しよう(日経新聞, 2006.10.23)。 「勇気」「友情」などと答えると、「勇気はどこに見えたんですか」「友情は画面のどこにありましたか」と突っ込まれる。教室に困惑が広がる。春に百人を超えていた受講者はみるみる減り、二十人ほどになった。 黒沢が