一般的な映画のつくり方だと、プロデューサーが企画を立てて出資者を集め、脚本家と相談しながら作品の骨格を決めて、監督と俳優にオファーを出します。低予算でも脚本が気に入ればビッグネームの俳優が出演することもあるし、大作でも自分のイメージに合わないと断られます。監督は、助監督、撮影、音声など現場を支えるスタッフを集めてクランクインし、作品ができあがるとチームは解散し、次の映画(プロジェクト)のための準備をはじめるのです。 ここで登場したひとたち──プロデューサー、脚本家、監督、俳優、現場スタッフ──のなかで「会社員」はひとりもいません。俳優は芸能事務所に所属しているでしょうが、それはマネジメントを代行してもらっているだけで、人気が出れば収入は青天井で、仕事がなければお金はもらえません。 映画産業に映画会社が必要とされる理由 こうした働き方ができるのは、大物監督や人気俳優だけではありません。いった