各社の選挙戦中盤までの情勢分析が出ているが、いまのところ総じて与党が300議席に届くかどうかという、いわゆる「与党圧勝」を伝えている。わずか2週間ほど前は、希望の党が民進党をすべて飲み込む形で、小池百合子東京都知事が国政に転じて、安倍政権が終焉(しゅうえん)するという予測を伝える報道が大半だっただけに、この様変わりは驚きに値するだろう。もっともこの「与党圧勝」という情勢分析が本当にその通りになるかどうかはわからない。いまの選挙はいわゆる「風」に依存しているし、その「風」はワイドショーなどテレビの印象で激しく変化するだろう。 かつて日本でもベストセラーになった『不確実性の時代』を著した米国の経済学者、ジョン・K・ガルブレイスが「依存効果」という概念を提唱したことがある。依存効果は、広告・宣伝によって消費者の購買意欲が大きく左右されることを示すものだ。依存効果が強まれば、消費者は合理的な判断が