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ブックマーク / blog.livedoor.jp/yamasitayu (6)

  • 山崎史郎『人口減少と社会保障』(中公新書) 8点 : 山下ゆの新書ランキング Blogスタイル第2期

    10月17 山崎史郎『人口減少と社会保障』(中公新書) 8点 カテゴリ:社会8点 「今後、人口減少が予想される中で日の社会保障制度はどうあるべきなのか?」という問題を、元厚生労働省の官僚であり、介護保険の創設に尽力し「ミスター介護保険」と呼ばれた人物が探った。 web中公新書の著者インタビューのページで、著者は自らのキャリアを次のように語っています。 1978年に旧厚生省に入省し、38年間政府の仕事に携わった後、昨年6月に退官しました。 その間、主な仕事として、1990年代半ばから厚生省で介護保険制度の導入、内閣府や内閣官房でリーマンショック前後の経済雇用対策などを担当しました。そして、2011年に厚生労働省社会・援護局長として、生活困窮者支援の素案づくりに携わりました。その後、内閣府の少子化対策担当などを経て、2015年から内閣官房まち・ひと・しごと創生部の地方創生総括官を務めまし

  • 近藤康史『分解するイギリス』(ちくま新書) 9点 : 山下ゆの新書ランキング Blogスタイル第2期

    6月24 近藤康史『分解するイギリス』(ちくま新書) 9点 カテゴリ:政治・経済9点 去年のBrexit(EUからの離脱の国民投票)によって一気に注目をあつめることになったイギリスの政治について、その制度と歴史、さらに現在の機能不全を分析した。 長年、「ウェストミンスター・モデル」として日政治改革などのモデルとされてきたイギリスの政治ですが、近年ではBrexitに代表されるような問題も目立ってきています。その背景としてグローバル化や格差社会といったことがよくあげられていますが、このでは長年イギリスの政治を研究してきた著者によって、あくまでも政治制度を中心に機能不全の背景が分析されています。 そして、この政治制度にこだわった分析によって、イギリス政治の現在地や日政治への示唆がより明確な形で見えるようになっており、単純にイギリス政治の現状を知るだけではない面白さがあります。 イギリ

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  • 深井智朗『プロテスタンティズム』(中公新書) 9点 : 山下ゆの新書ランキング Blogスタイル第2期

    4月24 深井智朗『プロテスタンティズム』(中公新書) 9点 カテゴリ:歴史・宗教9点 1517年、ルターがヴィッテンベルク城の教会に「九五か条の提題」を貼り出し、宗教改革がはじまったとされています。 そんな記念すべき出来事から500周年の年に、ルターから生まれた「プロテスタンティズム」について書かれたのがこのです。 ただし、このは必ずしも宗教改革だけに焦点を当てたではありません。また、ルターやカルヴァンの思想に焦点を当てたでもありません。プロテスタンティズムがどのような政治的・社会的コンテクストの中で生まれ、そのプロテスタンティズムがどのようにその後の政治や社会に影響を与えていったのかということが、このの中心的テーマになります。 ある程度大胆にキリスト教の中にプロテスタンティズムを位置づけ、プロテスタンティズムのその後の展開と政治や社会との関係を描き出す筆致は非常に刺激的で、政

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  • 水島治郎『ポピュリズムとは何か』(中公新書) 9点 : 山下ゆの新書ランキング Blogスタイル第2期

    1月5 水島治郎『ポピュリズムとは何か』(中公新書) 9点 カテゴリ:政治・経済9点 トランプ大統領の誕生に、イギリスのEU離脱をめぐる国民投票における離脱派の勝利。2016年はまさに「ポピュリズム台頭」の1年といえるかもしれません。 しかし、この「ポピュリズム」とは一体何なのでしょうか? 日では小泉首相や大阪市の橋下市長の政治に「ポピュリズム」というレッテルが貼られていましたが、その多くは批判する側からのものでした。とりあえず人気のある政治家を批判するためのキーワードとして「ポピュリズム」というものが使われていたと思います。 このは、ある意味でいい加減に使われているポピュリズムというものを再検討し、「リベラル・デモクラシー」に内在するものとしてポピュリズムを捉えなおそうとしたものになります。 南米やヨーロッパの豊富な事例から、ポピュリズムがときに「デモクラシー」そのものであり、ときに

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  • 梶谷懐『日本と中国経済』(ちくま新書) 8点 : 山下ゆの新書ランキング Blogスタイル第2期

    12月26 梶谷懐『日中国経済』(ちくま新書) 8点 カテゴリ:政治・経済8点 副題は「相互交流と衝突の100年」。著者は、中国の財政・金融といったマクロ経済の専門家ながら、今までも『「壁と卵」の現代中国論』、『日中国、「脱近代」の誘惑』といった著作で(両方とも面白いです)、中国の思想や政治文化、さらの日人の中国認識の問題などを論じてきた人物で、このでもそうした知見が十分に活かされています。 さらにこのは日中の経済交流を描くだけでなく、現代中国経済史としても読み応えのある内容になっています。同じちくま新書の岡隆司『近代中国史』(これも面白い)のつづきとも言えるかもしれません。 目次は以下の通り。 第一章 戦前の労使対立とナショナリズム 第二章 統一に向かう中国を日はどう理解したか 第三章 日中開戦と総力戦の果てに 第四章 毛沢東時代の揺れ動く日中関係 第五章 日中蜜月の

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  • 遠藤乾『欧州複合危機』(中公新書) 9点 : 山下ゆの新書ランキング Blogスタイル第2期

    11月2 遠藤乾『欧州複合危機』(中公新書) 9点 カテゴリ:政治・経済9点 ギリシャ危機に難民危機にウクライナ危機にイギリスのEU離脱と、絶え間ない危機に見舞われているEUですが、その危機は外部からEUを襲っているのか?、それともEU内部にあった問題が今になって噴出しているのか?、現在のヨーロッパの危機を概観しつつ、この根的な問題にも答えようとしているになります。 著者は2013年に『統合の終焉』(岩波書店)というを出しています。このはEUの歴史を読み解きつつ、2013年以降に起こった問題にも適用できるEUの問題点を分析してみせた大変面白いなのですが、いかんせん500ページ近いボリュームと3800円+税の価格、なかなか普通の人が手に取れるものではなかったと思います(価格に関しては内容とボリュームを考えればむしろ安いと思いますが)。 そんな大作の『統合の終焉』で取り出されたEU分

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