おじさんがフランス語を一から学んでいく過程が描かれている物語です。著者は言語教育を専門とする先生なのですが、物語のおじさんは真面目なサラリーマンで語学の経験はほとんど無い設定です。フランスに嫁いだ娘が生んだ孫に会いにフランス語を学ぶことになりました。普通の語学書とは違うこの語学の習得過程を物語として描くことにしたのは、語学学習のモチベーションにスポットを当てるためだったそうです。 こうした物語的記述法を選んだのは、語学を習得するために欠かせない心の風景や一瞬の機微を生け捕るためでした。(p.194) 語学の成否を決定する一瞬の機微というのは確かにあるような気がします。うまくしゃべれて気をよくしたり、あまりの難しさに気が遠くなったりと、フランス語を学習した当初は気持ちが行ったりきたりしていました。この本では気持ちの持ちようの一例を見せてくれるという点で、他の本には無い良さを提供していると思い
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