電気自動車(EV)の普及のカギを握る急速充電器の国際的な標準化をめぐり、日本とドイツの主導権争いが激化してきた。日本は自動車大手と東京電力などがタッグを組んで日本発の充電方式の世界標準化を目指すが、欧州仕様にこだわるドイツも国際規格の認定に向け攻勢をかけている。日本は国際機関を舞台にした交渉力の弱さなど課題も多く、標準獲得に向けて正念場を迎えた。 急速充電器はEVの駆動源になる電池に短時間で電気を供給する装置で、日独が世界をリードしている。両者の差は主に、車に必要な電流や電圧を充電器であらかじめ調整するか、受けた車で調整するかにある。 日本勢が世界標準を狙うのは、東電が開発した「チャデモ方式」と呼ばれる方式で、充電器が電気を交流から直流に変換するなど車に必要な電圧や電流に調整してから車に送るのが特徴だ。三菱自動車が4月に個人向け販売を始めた「アイ・ミーブ」で採用した。日産自動車も年内に売り