表現形式としての技法(レーモン・クノー「文体練習」) - モナドの方への続き。 文学実験工房ウリポのリーダー的存在がレーモン・クノーならば、目映い閃光を放つスターがジョルジュ・ペレックだ。ウリポの実験的手法をクノー以上に徹底的にやってのけた。 ペレックの代表作は、邦訳のない「消失」。フランス語でもっとも頻出度が高いeを一切使用しない長編小説*1である。当然邦訳不能。 しかもその次にe以外の母音を禁止した(a,i,o,u使用禁止)中編を発表し、度肝を抜いた。 余談ではあるが、eを使用しない長編小説はペレック以前にも試みられている。1939年に発表されたErnest Vincent WrightのGadsbyだ。以下のサイトで全文読むことができる。 →Gadsby もうひとつ。以前も紹介したが、この最たるヴァージョンが、二度と同じ単語が登場しないDoug NuferのNever Again。