Aiming for the Ideal Synthesisというタイトルの論文がスクリプス研究所のBaran教授らによって報告されました。有機化合物の合成ルートがどのくらい理想的なのかを数値化する、といったちょっと変わった試みがなされていますので紹介します。 Aiming for the Ideal Synthesis Gaich, T.; Baran, P. S. J. Org. Chem. 2010, ASAP. DOI: 10.1021/jo1006812 合成ルートが理想的かどうかの評価基準である”ideality”は、以下の式によって算出しています。 この式に登場するconstruction reactionとstrategic redox reactionについて簡単に説明します。 ①Construction Reaction…いわゆる骨格構築反応であり、炭素-炭素結合あるい