当麻(たいま)寺(奈良県葛城市)の綴織(つづれおり)当麻曼荼羅(まんだら)(国宝)を納めた当麻曼荼羅厨子(同)から昭和33年に見つかりながら、寺内に収蔵されたままだった、男性の横顔が墨で落書きされた敷板が同市歴史博物館で初公開されることになり、12日、報道陣に公開された。 厨子が制作された平安時代初期のものとみられ、同館は「仕事仲間を描き封印したのでは」と推測。13〜16日に公開される。 厨子は高さ約5メートル、最大幅約6.9メートルで国内最大級。解体修理中、本体下の柱の敷板(長さ約40センチ、幅約10センチ)に男性2人の横顔が上下に落書きされているのが見つかった。今回、同館の担当者が展示資料を借りるため寺の収蔵庫を調べた際に確認し、公開することにした。 落書きの男性は帽子をかぶり、唇が厚いのが特徴で、生き生きとした表情。板が取り外された跡がないことなどから、厨子の制作者が落書きした可能性