2009年3月24日:石川直宏が右サイドを駆け上がり、低い弾道で絶妙のクロスをゴール前に送るシーンほど、FC東京ファンの胸を熱くするものはない。土曜日、モンテディオ山形をホームに迎えた試合でもそのような瞬間があったが、石川は他のプレーでも際立った働きをした。それは彼のディフェンスであった。石川は再三再四ディフェンスに駆け戻り、ビジター・チームにプレッシャーをかけ、ボールを奪い返していた。 この試合は、新シーズンの立ち上がりが惨憺たるものとなったFC東京にとって、絶対に勝たなければならない試合だったが、石川はまるでなにかにとり憑かれたかのように一心不乱にプレーし、チームに勝点3をもたらした。 62分に交代が告げられたとき、石川はすでに全力を出し尽くしており、東京のたくさんのファンから温かい拍手を浴びた。Jリーグの公式記録には残らないが、この27歳の右ウィングは、後半10分に生まれたこの試合唯