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ブックマーク / honz.jp (14)

  • 『死の貝 日本住血吸虫症との闘い』著者、小林照幸にあの頃のこと訊く - HONZ

    死の貝:日住血吸虫症との闘い (新潮文庫 こ 28-2) 作者: 小林 照幸 出版社: 新潮社; 文庫版 発売日: 2024/4/24 小林照幸『死の貝 日住血吸虫症との闘い 』(新潮文庫)が注目されている。4月24日に上梓されて以来、現在4刷、累計2万6千冊のスマッシュヒットだ。26年前の1998年に出版されたが、なぜいまこんなに注目を浴びているのか。以前より小林照幸のを”激推し”してきた東えりかと、医学者・仲野徹が話を聞いた 仲野 『死の貝』は昔読んだ記憶があったけれど、文庫化されたのも20年以上時間が経ってからだし、こんなに注目されることってある?と不思議になりました。どうして突然文庫化されたんですか? 小林 それは新潮社さんからご説明頂きましょうか。 編集部 もともと新潮社の営業部と未来屋書店で、月に一回、情報交換の定例会議をしています。そのなかで女性書店員さんが「そういえ

    『死の貝 日本住血吸虫症との闘い』著者、小林照幸にあの頃のこと訊く - HONZ
  • 科学はいまだに法律に導入されない 『人を動かすルールをつくる──行動法学の冒険』 - HONZ

    作者: ベンヤミン・ファン・ロイ,アダム・ファイン 出版社: みすず書房 発売日: 2023/5/18 わたしたちは法律や条例などのルールに囲まれて生きている。そして、それらの多くがわたしたちを深刻な危害から守ってくれていることは間違いない。だがその一方で、何らかの理由でルールがうまく機能していない場合も少なくない。ほとんどのドライバーが守っていない、ある道路での速度制限。日々新たに報じられる、企業のコンプライアンス違反。では、そうした一部のルールがあまり守られないのはどうしてだろうか。 書はその問題に真正面から挑んだものである。ただし、その挑み方は従来のものとは異なる。書は、「どうして人はルールを守らないのか」と問うたりはしない。そうではなく、人に一定の行動傾向があることを前提として、「どうして法的ルールは人の行動を改善できないのか」と考えるのである。 わたしたちには一定の行動パター

    科学はいまだに法律に導入されない 『人を動かすルールをつくる──行動法学の冒険』 - HONZ
  • 『史上最恐の人喰い虎――436人を殺害したベンガルトラと伝説のハンター』悲しき猛獣は、なぜ生まれたか?  - HONZ

    『史上最恐の人喰い虎――436人を殺害したベンガルトラと伝説のハンター』悲しき猛獣は、なぜ生まれたか? 動物が人間を襲った事例でよく知られているのは、大正4(1915)年に北海道三毛別で起きたヒグマ襲撃事件だろう。これは8人が犠牲になった悲劇として語り継がれるが、それとほぼ同じ頃、ネパールとインドの国境地帯で人々を恐怖に陥れていた動物がいた。それが、チャンパーワットの人喰い虎――436人を殺害したとされる雌のベンガルトラである。 書はそのベンガルトラの足跡を追い、ジム・コーベットという伝説のハンターとの対決を描いた記録である。また、トラが人喰いへと追いやられていった背景を丹念に検証した、社会派ノンフィクションの顔も併せもっている。 だが、436人という数は、にわかには信じ難い。なぜこれほどの犠牲者を生んだのかという疑問はひとまず置いて、まず、トラという動物について少し学んでおこう。 トラ

    『史上最恐の人喰い虎――436人を殺害したベンガルトラと伝説のハンター』悲しき猛獣は、なぜ生まれたか?  - HONZ
  • 何でも治ることを売りにした最悪の治療法の歴史──『世にも危険な医療の世界史』 - HONZ

    現代でもインチキ医療、危険な医療はいくらでも見つけることができるが、過去の医療の多くは現代の比ではなくに危険で、同時に無理解の上に成り立っていた! 書『世にも危険な医療の世界史』はそんな危険な医療史を、元素(水銀、ヒ素、金など)、植物と土(アヘン、タバコ、コカインなど)、器具(瀉血、ロボトミー、浣腸など)、動物(ヒル、人、セックスなど)、神秘的な力(電気、動物磁気、ローヤルタッチ)の五種に分類して、語り倒した一冊である。 実のところ、このは何でも治ることを売りにした最悪の治療法の歴史を、簡潔にまとめたものだ。言うまでもなく、「最悪の治療法」は今後も生み出されるだろう。 単なる事例集にすぎないともいえるのだが、それでダレるということもなく、出てくる例があまりにもトンデモでひどいことをやっているのでなんじゃこりゃ! と笑って驚いているうちにあっという間に読み終わってしまう。たとえば、ペス

    何でも治ることを売りにした最悪の治療法の歴史──『世にも危険な医療の世界史』 - HONZ
  •  絶望的にヒーロー不在『八甲田山 消された真実』フィクションとノンフィクションと - HONZ

    神成大尉は、二一〇人の兵隊を凍死させたのは自分の責任であるから自分は自殺する、舌を噛んで自殺すると。…… ベッドの上で正座して話す老齢の男性――その人は、世界最大級の山岳遭難事故の最後の生存者・小原中三郎元伍長であった。 1902年(明治35年)1月。日露戦争を前に陸軍は寒冷地での行軍を調査・訓練するため、青森の陸軍歩兵第五聯(れん)隊と弘前の第三十一聯隊が豪雪の八甲田を異なるルートで越えることになる。結果的に三十一聯隊は八甲田を越え帰還したが、五聯隊は山中で遭難。210人あまりの将兵のうち、199人もが凍死した。世に言う「八甲田山雪中行軍遭難事故」である。 これをもとに書かれた新田次郎の小説『八甲田山死の彷徨』は、大ベストセラーになった。映画化された「八甲田山」で北大路欣也演じる第五聯隊の神成(役名は神田)大尉が猛吹雪のなか、こう叫ぶシーンをご存知の方も多かろう。 天はわれらを見放した

     絶望的にヒーロー不在『八甲田山 消された真実』フィクションとノンフィクションと - HONZ
  • 『死に山 世界一不気味な遭難事故《ディアトロフ峠事件》の真相』ロシア史上最悪の遭難怪死事件に挑む - HONZ

    一般に、は読めば読むほど物知りになれると思われがちだが、実際は逆だ。読めば読むほど、世の中はこんなにも知らないことであふれているのかと思い知らされる。その繰り返しが読書だ。 「ディアトロフ峠事件」をぼくはまったく知らなかった。これは冷戦下のソヴィエトで起きた未解決事件である。 1959年1月23日、ウラル工科大学の学生とOBら9名のグループが、ウラル山脈北部の山に登るため、エカテリンブルク(ソ連時代はスヴェルドロフスク)を出発した。 男性7名、女性2名からなるグループは、全員が長距離スキーや登山の経験者で、トレッキング第二級の資格を持っていた。彼らは当時のソ連でトレッカーの最高資格となる第三級を獲得するために、困難なルートを選んでいた。資格認定の条件は過酷なものだったが、第三級を得られれば「スポーツ・マスター」として人を指導することができる。彼らはこの資格がどうしても欲しかったのだ。 事

    『死に山 世界一不気味な遭難事故《ディアトロフ峠事件》の真相』ロシア史上最悪の遭難怪死事件に挑む - HONZ
  • 九歳でロケット、十四歳で核融合炉を作った「天才」──『太陽を創った少年』 - HONZ

    この世には「ギフテッド」と呼ばれる神から与えられたとしか思えない才能を持つ凄い人間たちがいる。そのうちの一人がアメリカ、アーカンソー州のテイラー・ウィルソン少年だ。彼は9歳で高度なロケットを”理解した上で“作り上げ、14歳にして5億度のプラズマコア中で原子をたがいに衝突させる反応炉をつくって、当時の史上最年少で核融合の達成を成し遂げてみせた。 彼は核融合炉を作り上げるだけで止まらずに、そこで得た知見と技術を元に兵器を探知するための中性子を利用した(兵器用核分裂物資がコンテナなどの中に入っていると、中性子がその物質の核分裂反応を誘発しガンマ線が出るので、検出できる)、兵器探知装置をつくるなど、その技術を次々と世の中にために活かし始めている。書は、そんな少年のこれまでの歩みについて書かれた一冊であり、同時にそうした「少年の両親が、いかにしてのびのびと成長し、核融合炉をつくれる環境を構築してき

    九歳でロケット、十四歳で核融合炉を作った「天才」──『太陽を創った少年』 - HONZ
    ogawat1968
    ogawat1968 2018/05/26
    “10歳の誕生日のことだ。彼と同じような少年が裏庭の小屋で増殖炉を作ろうとしてあやうく死にかけた実話ノンフィクションを買ってもらい、個人でもハンズオン型の原子核物理学に挑戦できることを知ってしまう。”
  • 『幻の惑星ヴァルカン』 それはいかにして「発見」され、いかにして葬り去られたのか - HONZ

    水・金・地・火・木・土・天・海・冥。かつてそう教えられた太陽系惑星のなかから、2006年に冥王星が除外されたことは記憶に新しい。だがじつは、19世紀後半にはそれら惑星候補のなかにもうひとつ別の名前が挙げられていた。書の主役は、その幻の惑星たる「ヴァルカン」である。 ヴァルカンはその生い立ちからして冥王星とは異なっている。というのも、そもそもそんな星は存在すらしていなかったからだ。では、存在しないものがいかにして「発見」され、そして最終的に葬り去られることになったのか。書は、その誕生前夜から臨終までを、関係する天文学者や物理学者にスポットを当てながら、ドラマ仕立てに描いていく。 ストーリーは、17世紀後半、ニュートン力学の登場から始まる。周知のように、その偉大なる体系は、惑星の運動を含む広範な現象の統一的説明を可能にした。いや、説明だけではない。驚くべきことに、その体系は未知の現象に対す

    『幻の惑星ヴァルカン』 それはいかにして「発見」され、いかにして葬り去られたのか - HONZ
  • 数奇な運命をたどった本 『ある奴隷少女に起こった出来事』 - HONZ

    新潮文庫のラインナップに、新たな古典名作が加わった。しかし、『小公女』や『若草物語』のようなフィクションではない。著者自身が序文で「読者よ、わたしが語るこの物語は小説ではない」と言明している通り、「ある奴隷少女」人が奴隷制の現実をつづった世にも稀なる手記なのである。アメリカでは、すでに大ベストセラーになっているが、日でも長く読み継がれるになるに違いない。 内容に入る前に、書がたどった数奇な運命についてふれたい。書が刊行されたのは、1861年である。作中人物が存命だったため、「リンダ・ブレント」というペンネームで執筆され、一般的には、白人著者によるフィクションとみなされて読まれた。奴隷解放運動の集会などで細々と売られたが、次第に忘れ去られ、関係者の死とともに著者・ジェイコブズとのつながりも分からなくなっていった。 転機が訪れたのは、出版から126年を経た1987年。歴史学者がジェイ

    数奇な運命をたどった本 『ある奴隷少女に起こった出来事』 - HONZ
  • 『PC遠隔操作事件』警察、メディア、犯人、その誰もが踊らされた - HONZ

    事件ノンフィクションと呼ばれるジャンルの醍醐味が、存分に味わえる一冊だ。この事件の何に対して自分が釈然としない思いを抱いていたのか、その正体が嫌というほど見えてくる。その実像は、事件当時に見知っていた情報とは大きく異なる印象があった。 PC遠隔操作事件とは、2012年6月から9月にかけて14件もの殺害・爆破予告がなされた事件である。JAL便の爆破予告から、小学校の襲撃予告、はたまた有名子役や人気タレントグループ襲撃予告までとターゲットは幅広く、世間を震撼させた。 逮捕されたのは、IT関連会社社員で当時30歳の片山祐輔という一人の青年であった。書では、事件発生からの全過程を克明に記録し、事件の中からあぶり出された課題を、今あらためて検証しようと試みている。 書のスタンスが特徴的なのは、この事件当にこれほど騒がれるようなものであったのかという点から出発しているところだ。結局一連の殺害・

    『PC遠隔操作事件』警察、メディア、犯人、その誰もが踊らされた - HONZ
  • 『ダメな統計学 悲惨なほど完全なる手引書』で科学の基盤をより確かなものにする - HONZ

    世界は数字であふれている。政治家の支持率から健康品が病気のリスクを下げる確率まで、ニュースや広告を介して、新たな数字が次々とわたしたちに届けられる。しかしながら、その数字がどのようにつくられ、どのような意味を持つのかを真に理解することは容易ではない。特に、数字の送り手に悪意がある場合には注意が必要だ。50年以上前に出版された世界的ベストセラーの『統計でウソをつく法』で知られるように、統計を恣意的に用いれば、多くの人を欺くことはそれほど困難ではないのだ。 それでは、きちんとした科学研究室・大学によって裏付けられたデータならば無条件で信用できるのだろうか。そうではない、と統計学の講師でもある著者のアレックス・ラインハートはいう。科学者たちに悪意があり、統計学を歪めて使用しているわけではない。科学者たちもまた、わたしたち一般市民と同様に統計学をきちんと理解していないというのだ。 科学者は、統計

    『ダメな統計学 悲惨なほど完全なる手引書』で科学の基盤をより確かなものにする - HONZ
  • 『ロレンスがいたアラビア (上、下巻)』サイクス=ピコ協定からバルフォア宣言まで - HONZ

    1918年、トーマス・エドワード・ロレンス大佐はバッキンガム宮殿に呼び出される。ジョージ五世は笑顔で「贈り物があるんだよ」と語りかける。国王の贈り物とは大英帝国勲章ナイト・コマンダーであった。戦争での活躍が評価されたのだ。ロレンスはナイト爵を授かろうとしていた。子供の頃から騎士の物語に憧れ、三十歳になるまでにはナイトに叙せられることを目指していたロレンスは、ついにその夢を手にいれる。しかし次に彼の口から出た言葉は、その場にいた多くの人々を戸惑わせるものだった。名誉を辞退したのだ。彼は自身がもたらした勝利に自責の念を持ち、生涯それから逃れる事ができなかった。 第一次世界大戦においてアラブの反乱軍を指揮し、敵国オスマン帝国を翻弄した戦場の英雄「アラビアのロレンス」とはいかなる男だったのだろうか。彼は引っ込み思案で内向的な性格であり、一人で居る事を好み、関心を寄せる人々を避けるかのように振舞って

    『ロレンスがいたアラビア (上、下巻)』サイクス=ピコ協定からバルフォア宣言まで - HONZ
  • 『冒険歌手 珍・世界最悪の旅』これ以上ありえない冒険なんて、ありえない! 絶対にっ! - HONZ

    人生がひっくり返るような苦労をしてみるのだ! シンガー・ソングライターの峠恵子さんは、家族にも友人にも仕事にも恵まれて、何一つ悩みのない人生を送っていた。ところがある日、心の中に恐怖が生まれる。 「このままでいいわけがない」 私の最大の弱点――。それは「苦労を知らない」こと。その最大の弱点を不意に突かれてしまえば、きっと私はガラガラと音を立てながら脆く崩れ落ちてしまう。 そんな時、偶然目にした雑誌の小さな記事が、峠さんの人生を一変させた。 日ニューギニア探検隊 2001 隊員募集 それは「ヨットで太平洋を渡り、ニューギニア島の川をボートで遡上し、オセアニア最高峰カルステンツ・ピラミッド北壁の新ルートをロック・クライミングで世界初開拓する!」という、命の危険を伴う格的な探検だった。 ヨットの操舵はもちろん登山経験もほとんどなかった峠さん。探検隊員になるためにスポ根ドラマばりのトレーニング

    『冒険歌手 珍・世界最悪の旅』これ以上ありえない冒険なんて、ありえない! 絶対にっ! - HONZ
  • マンガ新聞 - 漫画の記事・無料連載・新刊情報・おすすめ漫画レビュー

    『腸よ鼻よ』11指腸 2018年09月29日 澄み渡る青い空と透き通るような海、白い砂浜のある南の島――沖縄。 この島に生まれ、蝶よ花よと育てられた1人の少女がいた。 彼女の名は島袋全優。 漫画家を志し、いずれは大都会東京での タワーマ...

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